Washoku 「和食」文化の保護・継承活動の報告コーナー

『4市町交流会・山田チカラ調理講習会』報告 その3

2014年02月10日(月)

REPORT

閉会後に全員で.JPG
「活動報告、熱心な意見交換で交流を深める」〈3〉交流会

午後の部は、会場を視聴覚室に移し、鈴木専務理事のあいさつで開始。

冒頭に、味の素(株)が健康寿命の延伸に貢献するため昨年11月に発足させた「アクティブシニア・プロジェクト」と、第1弾として取り組むロコモ予防について、重宗之雄氏(健康ケア事業本部部長)による解説が行われた。これは、加齢や生活習慣を原因に足腰の機能が衰えるロコモティブ・シンドローム(略称ロコモ)をアミノ酸の活用などにより予防しようというものだ。

説明会を終え、お待ちかねの4市町による交流の時間が始まった。

◆地域・公民館とも結びつき活発な活動を展開:名取市

一番手は北から名取市。食生活改善推進員連絡協議会の片山洋子会長、渋谷佳子副会長、理事の小出育子・奈良岡まき子・相原たき子さん、保健センターの大内秀文栄養士の7名が参加。食改活動について、片山会長が報告に立った。

会員数は74名、「私たちの健康は私たちの手で」を基本目標に9つの地区で活動。バランスのとれた薄味の食事習慣の確立などを活動の目標としている。具体的には、「主菜・副菜を基本にした食事バランス」で子どもから高齢者まで地域の健康づくり、生活に運動を取り入れリフレッシュ、野菜を1日350g摂ろう、よく嚙んで丈夫な歯をつくろう、など。

保健センターをよく使い、在籍する保健師、歯科衛生士、栄養士さんなどと連携して活動を進めている。

年間活動は定例会を基本とし、総会には必ず市長が参加して挨拶、内容は講義や実技、グループワークなど、最初に勉強し、後で調理実習を行う。年間行事として移動研修もある。

公民館まつりは地区ごとに協力して行い、なかでも活発な地区ではいろいろ工夫される。被災して公民館が使えない地区は、保健センターで調理したり、小学校の体育館を借りての展示だったり。

活動の一例として紹介された伝統料理実習。館腰地区では小学5年生を対象に野菜摂取の栄養講話と伝統料理「おくずかけ」の調理実習を、名取が丘地区では、七草粥の調理実習を担当するなど。また、仮設住宅居住者が対象の伝達講習は、方言を使った「おらほのラジオ体操」と調理実習の組み合わせで、献立は定例会で学んだものが元になる。

第5回定例会での調理実習「免疫力を高めましょう」の資料も示された(大内栄養士作成)。豚肉や生姜を使った調理が並び、それぞれの作用・効果がポイントにまとめられている。

年間で、伝達講習14回、親子料理3回、公民館まつり7回、勉強会3回。伝統料理ボランティアということで、各地域に合わせた活動を行っている。

最後に、公民館まつりの時、食改さんを知ってもらうために配っているチラシを紹介。「私達と食生活を見直してみませんか!?」と呼びかけ、活動内容やどうしたらなれるかなど、わかりやすくコンパクトにまとめられている。

続いて意見交換に。

飯田:食事時間に伺った、弁当を持って奉仕という話を少し説明して。

A:仮設の集会所の台所が狭いので公民館で弁当を詰めて持っていき、食事会+講話の形式で食生活の話をしレシピも配る。

飯田:味の素の「どこでもキッチン」が使えるのではと感じた。

大友(岩沼市・栄養士):昨年11月の活動交流会「ヘルスメイトあぶくま」でも聞いた公民館での活動が気になった、岩沼ではあまりできていないので。小学校での話も、もう一度聞かせて。

相原(名取市):今年度で3回目。館小の5年生2クラスに支援学級の児童も加わる。学校のテーマは「郷土料理を知ろう」なので「おくずかけ」を作った。仲間に詳しい者もおり由来も話す。普段食べないが今日はおいしいとお代わりしたり、レシピがあるので「家でお母さんに作ってもらう」と言う子もいる。作物づくりの指導者なども招き、1カ月後くらいに感謝の会があった。写真付きの色紙が贈られ、子どもらが歌をうたってくれる。大感激で、すごく元気をもらった。

飯田:岩沼での小学校での取り組みはここまでいかない?

大友:やはり教育委員会とは部局が違うので。でも、これから子ども達は食育で一番重要なので、ぜひ岩沼でも働きかけ、食改さんがやりやすいような方法をとっていきたい。

前原(味の素):今年度まで、残念ながら名取市さん、岩沼市さんにはお訪いできていない。名取市さんの14年度の避難生活者さんへの健康栄養支援計画があれば教えてほしい。

大内(名取市・栄養士):味の素さんからお話があったので、来年度はぜひ仮設住宅へ、食改さんを交えての調理講習・栄養講話をしたいと思っている。また民間賃貸住宅(みなし仮設)にいる方は集会所にくる機会もないし、名取から離れている方もいる。どうすればいいか、いま食改さん方とも話しているところ。

◆自主的活動で市民への伝達講習:岩沼市

2番手は開催地の岩沼市。食改さんからは大内亮子会長、斎愛子・鈴木禮子両副会長、市の健康増進課から大友和子・宇津井洋子栄養士と5名の参加。大内会長が活動を報告した。

 

「健康は私達の手でつくり元気で長生きしよう」を目標に、栄養・運動・休養の健康習慣の実践、地産・地消を普及し食育を推進する自主的な活動を行っている協議会で、他の市町村と違い栄養士さんとセットではなく、独自で活動する団体と語る。

主な事業は市民への伝達講習会――定例会での料理講習や勉強会で学んだ料理などを伝え、よりよい食生活を普及することを一番に位置づける。

まず被災者支援の活動。

被災時は、自主団体なので各個人でボランティアとして地区や市の被災者事業に参加、現在継続中の方もいる。会としては、避難所での昼食の盛りつけ(自衛隊の方が調理)活動を1カ月間行った。

今年度は、市の事業である「ココ(心)から(体)ごはん講習会」(運動と料理講習会)5回に協力、ポリ袋で作る簡単エコクッキング(家庭での余り物の調味料なども活用)や郷土料理の「はらこ飯」なども作られた。

実は「はらこ飯」、昔の本では阿武隈川沿いの岩沼が発祥地、ただし白っぽくなった親鮭を使った料理は今一つの味で、後に亘理の海の近くでとれた鮭を使ったものが有名になった、とのエピソードも披露された。

定例講習会や自主研修会で学んだメニューを被災者に伝える伝達講習会は、会員も働くことに忙しく、要望はあっても回数は増えないのが悩み。個人の自主活動で、手伝いには行くが自分が主になるのは難しい点もある。年間トータル25回くらい。

県の委託事業では、「野菜1日5皿食べよう講習会」など行っている。

協力事業として、復興支援センターから「被災者さんにおやつ作りと話す機会を」との声で、支援物資など使える食材を活用し皆さんとおやつ作りをしたり、子育て支援センターからの依頼で、福島から避難している乳幼児の親子対象に軽食とおやつ講習会も。先日も芋トリュフなど簡単で美味しいと好評だった。

また震災復興のイベント等にも協力。12月には読売巨人軍と被災地区の子らとの交流事業で、カレーライス300人分を調理、健康に配慮し味の工夫もして参加者から評判をとった。

続いて行政への協力。

まず保育所での親子クッキングの手伝い。今年度健康まつりはできなかったが、8月開催の岩沼健幸生活応援セミナーでは、薄味みそ汁を提供した。宮城県は生活習慣病ワースト2。塩分問題は大切で、具だくさんみそ汁、香味野菜を使うみそ汁の工夫や「みそ汁カレンダー」の配布など行った。

最後に、会員の勉強会として年4回の定例会と2回の自主研修会が開かれていること、25年度が岩沼市の食改60周年で、レジュメを作り(本当は立派なものを作りたかったが)交流会をもったと報告、その時、行政の方で宿泊施設の料理長と栄養士さんがヘルシーメニューを考案してくれ皆で味わったことも語られた。

意見交換にさっそく手が挙がる。

渋谷(名取市):会員の勉強会の調理実習で、レシピや献立を作るのは誰か? 自主活動というと皆さんで計算もするのか?

大内会長:4回の調理実習は栄養士さんが中心に。それを持って伝達講習会をやる。

大友(栄養士):自主的な活動というのは、食改さんが地域の市民に伝達する時。定例会などは市で、講師を含め全て手配し、実習もきちんと行う。自主研修もできる限り手伝い、講師の交渉もしている。

会長:ただ自主研修会の時はある程度メニューも考え、自分たちで勉強する姿勢をもつ。

清野(亘理町):行政としては、一応食改育成の立場がある。自分たちで頑張っているのはわかるが、栄養士そっちのけではなく、両輪でやっていると感じた。そうでないと、たとえボランティアの団体でも、自分たちだけでやるのはムリではないか。

会長:皆さん、総会資料など誰が作るか? 私たちは全部やる。以前、県の会長が奨励したそうだが実行している団体は20%くらいという。

宇津井(岩沼市・栄養士):会長が言いたいのは、行政から健康メニューなどデータ提供は受けるが、その先は自立している点が多いということだろう。もちろん行政で募集し食改教育を行い、今年も10名以上入る。ちゃんと仲良くやっている(笑い)。

前原:福島から避難している子どもへの支援のことを詳しく知りたい。

大友:かなり避難者がおり、市長が要望。食べ物があると話の場がなごやかになる。それで会長に声がかかったと思う。

会長:私が子育てボランティアをしている関係もある。人数は最初、親子は7組、福島からの一般避難者も入れて大人40人、子ども7人、計47人ほど。当日は食改3人に参加のお母さん方で作った。

前原:我々も子どもたちへの支援が足りない。仮設住宅に伺い、親子でといっても数えるくらいで支援方法に悩んでいる。ぜひ来年度、そういうこともやらせていただければ。

◆「一人の百歩より百人の一歩」を合い言葉に:亘理町

亘理町は昨年6月の福島県新地町での意見交換会に続く参加である。

出席者は、清野珠美子会長、岡崎由紀子副会長、会員の小野久美子・安瀬京子・千葉貴美子さん、町の健康推進課から佐藤章さんの計6名で、報告者は清野会長。

「健康で長生きするために」を基本目標に、亘理町の健康状態を考えながら地域住民のために活動している。いま亘理では、味の素さん協力の下、「おいしい輪」とネームをつけた被災者への食生活支援事業が大きな柱。7カ所の仮設集会所で年4クール、28回の栄養教室を開いている。そこに「食べる」ということがあると、集まりやすく場も和む。食を通し健康に結びつける。食改と味の素さん、宮城学院女子大学などの協力者と、3つの力を絡めて頑張っているところ。

亘理の郷土料理といえば「はらこ飯」「ほっき飯」、それに「おくず」など昔からの伝承料理、簡単にできる旬の野菜料理などをふまえ、みんなで楽しく作って食べて健康づくりをモットーにやっている。参加者は1回ほぼ30名、スタッフを加え50食ほどを作る。

県の補助事業で前は予算全額が通っていたが、今年度から半額に減らされた。それで行政とも相談し、自立の気持ちをもってもらう意味でも参加費をいただくことに(300円)。皆さん「高くない。300円でこんなごっそうは買えない」と言ってくれる。ちなみに初回は「3・1・2」の食事バランス弁当箱に詰めて(900円するがプレゼント)。費用面の不足は会でも補填し味の素さんの協力もいただいている。

行政への協力として、今年度は全国各地から復興事業に派遣されている企業や職員の方々に感謝の気持ちとして、10月にはらこ飯(旬の野菜料理、定例会で作った鰺の竜田揚げも)を120食提供し大変喜ばれた。

食育関係では、はらこ飯実習がある。荒浜小では4年生と会津の奥の小学校との交流事業の際、日を改めた5年生対象、亘理高校家政科の皆さん対象など毎年行う。鮭はさばくところから見せると子どもたちの反応も大きい。郷土料理の伝承の場だ。

公民館まつりもある。以前は4地区で行われていたが震災後は亘理町公民館に一括された。先週開かれ、五目ご飯400食、豚汁300食を作り町民に販売した。

今年度、亘理の食改は50周年で、11月22日に記念式典を開催。50年の流れを寸劇仕立てに、最初の活動だったキッチンカーはダンボールで作り、支援物資の白い割烹着を着て。10年前に使った衣裳も引っ張り出したり、台詞の暗記はムリだから台本片手に、ドタバタながら楽しく大笑い。午後からは皆で会食し、50年をふり返り語り合った。毎年発行の新聞「食改わたり」を厚めにし、記念紙として3月に出す予定である。

「一人の百歩より百人の一歩」ということで力を合わせ、お隣さんお向かいさんの精神で頑張っている。

笑いと拍手の中、質疑へ。

大内(名取市・栄養士):ほぼ30名以上の参加と言うが、「おいいし輪」は仮設集会所だけでの活動か? 

清野会長:1つの仮設が大体30名。ただし、もともと軒数が少なく十数名の所や工業団地など50名以上の所もある。基本対象は仮設居住者だが、みなし仮設(民間賃貸を仮設とみなす)の人や自分の家に移った人でも希望者の参加は受け入れる。人数の多い工業団地では全員での調理はできないから、2、3人と前でデモンストレーションを行い、中央公民館でスタッフ含め70~80食作って運ぶ。あと、味の素さんの移動キッチン(調理器具も借りて)で簡単なもの(おやつなど)を作り、集会所の台所で参加者も手伝い汁を作る、という形。

大内(岩沼市):「ココからごはん講習会」の時、山元町、亘理町のみなし仮設の方が参加していた。

会長:私たちは福島など他県から来た方対象ではまだやっていない。たまたま他所から亘理に来て友達もなく、同じ仮設の人に誘われ参加した方が、「嬉しかった」と毎回来られる例はある。やはり皆の顔を見て話せば元気も出るし、分け合って楽しくやっている。いろいろやっているが、今「おいしい輪」が一番。

前原:震災の年の秋からすぐに取り組んでいただいた。7カ所の集会所すべてでやりたいという要望を受け、年4クール、確か前回で計70回を超えた。食改さんはもとより役場の方の対応も早かった。来年度も続けていくということで我々も頑張ってバックアップさせていただく。

1カ所平均30名ほどの参加で各会場ともぱんぱん。特に工業団地はマックス六十数名参加され、座るだけで精一杯、それでもみんな一緒がいいと。回を追うごとに参加人数が増えているのが「おいしい輪」の特徴と思う。たぶん皆さんは参加費300円払っても清野会長の漫談を聞きたくて(爆笑)、まったく客足が落ちる気配がありません。

◆成人・母子の2グループが手分けし充実した実践:山元町

しんがりの山元町も昨年6月に続き2度目の参加である。食改さんは木村マキ会長、野村昭子・阿部和子副会長、会員の岩渕升子・谷津ゆみ子さんの5名、町の保健福祉課から佐藤睦美栄養士が加わった。木村会長が25年度の活動を報告する。

会員は小さな町にしては123名と多く、より活動しやすいよう成人・母子の2グループに分かれている。

今年度、会議は4月の総会、年10回の役員会、学区打合会、地区推進懇談会など。11月のヘルスメイトあぶくま研修会には20名が参加した。

「第10回やまもと食育フェア」は、11月23日のふれあい産業祭と同時開催。産業祭は震災後、亘理郡の祭りとしては最も大きく、町内外から多くの来客がある。食育フェアでは、味の素さんのどこでもキッチンを借りての調理体験(228名参加)、野菜釣りゲーム(270名、うちピタリ賞6名)、栄養をテーマにしたチラシの作成・配布(614名)、鮭とチーズのちらし寿司の試食(130名)など活動も盛りだくさん。11月は食改の繁忙期で連日のように保健センターに通い、皆さんに頑張ってもらった。

特定健診や子宮がん検診に食改コーナーを設けてもらい、「1カ月体重1kg減量大作戦」「塩分1日1g減量大作戦」などのチラシを作成・配布し野菜たっぷりメニューを奨めた。

様々な事情で活動に参加できない会員に向け、会の動向を知らせる「食改だより」を年2回発行。

母子関係では、育児相談(3歳児健診・幼児歯科健診)での試食づくり(手作りおやつなど)、小学生親子食育教室、小学校食育に関する学習では5年生対象のはらこ飯作り体験教室に協力している。子どもたちにはお代わりするほど好評で、郷土料理の伝承になっている。「ふれあいひろば」「みやまフェスティバル」では、今年のテーマ「野菜をしっかり食べよう」の食改コーナーを設けた。

その他の協力事業として、「やまもとランチの試食会」と「幼稚園おやこクッキング教室」がある。試食会は全国から派遣されている90名以上の職員さん対象に、年3回行い大変喜ばれている。5月は筍ご飯、10月はらこ飯、2月4日にホッキ飯を作った。

定例会は毎月行い、そこで習った料理が翌月の仮設住宅栄養講座(簡単クッキング)の献立になる。次の月の仮設当番になると困るので、最近定例会への出席率も高い。

山元町には8カ所の仮設があり、毎月1回ずつ出向いて簡単クッキング教室を開いている。食材ほか器具一切を保健センターから運ぶのは点検を含め大変だが、慣れればたいしたことはない。震災の年の10月から継続。

ただ料理を伝えるだけでなく、その場に集うことで元気になってもらうのが目的で、すっかり定着している。最近は家を再建し仮設を出る方も多くなり、参加者も少なくなってきた。

まだ震災前ほどの活動はできていない。被災した会員も多く、できる地区から、できる人から少しずつ活動しているのが現状である。

質問コーナーへ。

大内(岩沼市):派遣職員さんに試食を出され、一番喜ばれたのはどんなところか?

木村会長:“手作り”というところ。単身赴任で自ら料理しないため、手作りランチが食べられて嬉しいと。北海道からの方は、ここ以上に鮭やホッキが獲れるがこんな食べ方はしないと言う。何でもご飯にするのが山元町の特徴(笑い)。ちなみにホッキ飯は山元町が発祥と聞いている。

清野(亘理町):協力事業でランチ試食会を年3回されているが、費用は町が出しているのか?

会長:参加者から500円いただく。取らないと官官接待で問題になるので。

佐藤(山元町・栄養士):補足として。やまもとランチは昨年1回行ったが、総務課長がとても気に入り、今年度は3回、三役(町長・副町長・教育長)も加わり、全体で70名ほどになっている。経費は、かかった分いただけと。食改さんからは協力で来ているのにとの声もあるが、あくまでも負担してもらい実施している。派遣職員の健康支援事業として募集をかけるのは総務課。地域との交流がもてると派遣職員の方からも好評だ。

前原:一種の補足で。仮設での簡単クッキングを、食改さんだけで毎月8回(8カ所×1回)、約30カ月だから計240回くらいの計算になる。栄養士さんも8回ほどと聞いているので、山元町トータルでは毎月16回。半端な数ではない。我々も何度か食改さんとご一緒したが、ほとんどの場合は調理器具一切を運び込む。本当に大変なことで、敬意を表したい。

大きな拍手で、それぞれの報告と意見交換が終了した。

◆熱い想いを携えて:閉会

時間も押し迫り、鈴木専務理事が主催者として締めのあいさつ。

「食の文化センターがこういう催しを始めたのも、ベースには社会貢献活動を行う前原のグループの仕事があった。彼からの話で、地域に栄養士さん、食改さんがおり、その組織の活動を知った。そこで我々にできることは何か。食改さん同士の交流の場がすこし少ないようだと聞き、このような会を発案、昨年6月に4市町の会が実現し、今回は6市町に増えた(雪で2市町が参加できなかったが)。それぞれ地域の違いはあったかと思うが、食育、郷土料理、地産地消などからみると共通部分が多かったのではないか。これをきっかけに地域同士の情報のやりとりを進めていただければ」。

最後に会場をお借りした岩沼の方々に感謝を述べて締めくくった。

続いて、各地域の発表をじっと聴いていた山田シェフが感想を語る。

「今日はとても楽しい時間を過ごせた。僕自身がいろいろ教えてもらうような形で。皆さんの活動にも大変心動かされた。実は僕も震災の年に子どもが生まれたこともあり、子どもたちへの支援など非常に興味深い。自分も何かできないか、協力させてもらえたらいいなと思った」。

拍手が長く続き閉会。その後、参加者そろって記念写真に収まり、岩沼市での交流の集いは熱い想いをそれぞれの胸に残して無事に終わった。〈了〉