Message 理事長ごあいさつ
味の素食の文化センターは、食文化に関する研究支援と普及・啓発を目的として1989年に設立され、2013年に公益財団法人となりました。設立以来、食文化研究者や食文化に関心のある一般の方々向けに、複数の事業活動を継続して行っています。
食はあらゆる人と結びつきが深いにもかかわらず、かつては研究や討論の対象としての重要性が理解されていませんでした。1980年頃から各方面の有識者が集い、「食は文化なり」という理念を持って議論を重ねたことが「食文化」という言葉を生み、その本質を世に知らしめることにつながりました。当財団はその志を受け継ぎ、食文化研究が発展を遂げる中で、多くの方々が食文化への関心を持ち、ひいては世界の人々のより良い食生活につながるよう、永続的な活動を行っています。
当財団は、社会・人文・自然科学など多くの領域の有識者が一堂に会する会員制の学際的研究討論会「食の文化フォーラム」や研究助成などを通じ、食文化研究を継続して支援しています。また、シンポジウム、公開講座、ライブラリー、公開施設展示、食文化誌『vesta』やフォーラム記録書籍の出版などを介し、多くの方々に食文化の魅力や深淵さを伝える活動を行っています。
特に、食関連書籍45,000冊以上を所蔵する「食の文化ライブラリー」、毎号の特集を通じて食を様々な角度から取り上げる食文化誌『vesta』、フォーラムの成果が凝縮された「食の文化フォーラム」記録書籍などは、先人の知恵や時代を牽引する有識者が提唱する最先端の見識に接することができる「知の宝庫」となっています。ぜひご活用ください。
当財団は、今後も事業の深化を図り、食文化分野の発展を通じて、人々の豊かで健康的な食生活の形成向上に貢献してまいります。皆様の温かいご理解とご支援をお願い申し上げます。
