錦絵から日本の食文化を学ぶ
『大日本物産図会』にみる「食」「時代」「人々」
第2回「海の恵み 山の恵み」
開催期間 | 2025年08月01日(金)~ 2025年09月27日(土) |
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開館時間 | 午前10時~午後5時 |
休館日 | 日曜日・祝日、臨時休館日 |
料金 | 無料 |
この度、味の素食の文化センターが『大日本物産図会』全118図を揃いで収蔵したことを記念し、3ヶ年連続で「『大日本物産図会』にみる「食」「時代」「人々」」展を開催いたします。(本展監修:曽田めぐみ)
錦絵『大日本物産図会』とは
「錦絵」とは、江戸時代中期に発展した多色摺りの浮世絵版画で、明治時代後期にいたるまで江戸・東京の名産品として長く親しまれました。
『大日本物産図会』は、明治10 年(1877)の第1 回内国勧業博覧会に併せて制作された錦絵の揃物です。三代歌川広重(1842-94)が絵筆を揮い、錦栄堂萬屋の大倉孫兵衛から出版されました。日本各地の名産物の生産にたずさわる人々の働く姿を描き出しており、海外に向けて日本を紹介するためにも活用されました。全118図が知られています。

第2回テーマ
昨年の第1回企画展「日本の食文化」に続き、第2回目となる本展のテーマは、「海の恵み 山の恵み」です。明治10年(1877)当時、日本各地で名産とされていた品々を描いた本作には、三重(伊勢国)の鮑や福井(越前国)の海胆、そして岐阜(美濃国)の石灰といった海と山がもたらす恩恵が、三代歌川広重による闊達な筆致で活き活きと表わされています。
本展では「大日本物産図会」全118図から15図を厳選し、「海の恵み」と「山の恵み」という二章構成で作品を紹介することで、各地の豊かな物産のみならず、時に危険と対峙しながらも自然の恵みを享受せんと力強く働く人々の姿にも注目いたします。

本展のみどころ
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展示室のエントランスは、「大日本物産図会」が出品された明治10年第1回内国勧業博覧会の美術館をイメージし、この度、特別にあつらえたものです。
ぜひ、内国勧業博覧会に訪れた気持ちで、本展をお楽しみください。
※画像は昨年度のものです。 -
「大日本物産図会」の世界に没入していただけるよう、大型グラフィックで展示室をラッピングしました。
グラフィックで絵の細部をご覧いただきつつ、本展に展示されている錦絵そのものの繊細な摺りと線刻をご堪能ください。
※画像は昨年度のものです。 -
「大日本物産図会」をよりお楽しみいただけるよう、めくり式解説や映像解説など各所に仕掛けがございます。
また、ご来館いただいた皆様に、より詳しい展示の解説小冊子を無料でお配りしています。
※画像は昨年度のものです。
次回企画展
『大日本物産図会』にみる「食」「時代」「人々」展
第3回「日本のものづくり-明治の殖産興業」
「大日本物産図会」が出品された第1回内国勧業博覧会には、日本各地のあらゆる物産が集いました。本展示では、高岡(越中国)の銅器や福岡(筑前国)の博多織、佐賀(肥前国)の伊万里焼などが描かれた図を中心に紹介し、1877年の博覧会を追体験するかの如く、明治日本のものづくりの様相を辿ります。
会期 | 2026年 8月(予定) |
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会場 | 味の素食の文化センター 食文化展示室 |
