『vesta』121号「ほっとする食べもの―世界のコンフォートフード」

『vesta』121号

「ほっとする食べもの―世界のコンフォートフード」

2021.01.12
特集アドバイザー 石田雅芳(立命館大学食マネジメント学部教授)

今回の特集は「コンフォートフード」である。特にアメリカで使われている言葉で、言葉のピースフルな印象とは少々異なり、かなりジャンクな食品もこのカテゴリーに入るとのこと。不健康なものこそ美味しく感じると言われるが、とかく快適さ、慰め、安らぎ、幸福をもたらす食という、柔らかいテーマで世界各地から発信していただいた。さらには日本の食研究をリードされる方々にも、個人的な体験を元にした魅力的なコンフォートフードについて語っていただいた。
新型コロナによって人々の行動が制限され、あらゆる共食の場を懐かしく思う昨今、ふと立ち返って食の幸せな記憶に想いを馳せてみる。安らぎをもたらす食とは何か、何であったか。ここには子供時代の幸福な記憶、コミュニティの記憶、社会と食、村祭りの食、おばあちゃんの味、きつねうどんなど、実に多様な幸せの形が集結されることになった。
<特集>
Ⅰ コンフォートフードの源流をたずねる―イタリア
 1. アブルッツォの羊飼いと伝統料理「サーニェ・エ・リコッタ」
 /グレゴリオ・ロートロ
 2.季節を感じるフィレンツェ人の豊かな食/ファビオ・ピッキ
 3.コラトゥーラ・ディ・アリーチと私の物語/ジュリオ・ジョルダーノ
 4.共同パン窯で焼かれた「クルニエーラ」/パン窯運営団体代表
 5.ヴァルキアヴェンナの「ヤギのバイオリン」/グイド・スカラメッリーニ

Ⅱ 海外のコンフォートフード
 1.母がつくる朝ごはん/ティーダ・タウング
 2.祖国の歴史と食のノスタルジア/オルガ・シュトゥキナ
  [トピック]スローフードで注目されるトナカイ遊牧民サーミの食
 /アネリ・ジョンソン
 3.「慰め」とは何か~アメリカの「罪深き」コンフォートフード/加藤裕子
 4.食と文化の交流点ドバイのコンフォートフード、ビリヤニ/御供理恵
 5.韓国人にとってのコンフォートフード、心癒やされる味
 ―テンヂャンチゲと西海の幸―/守屋亜記子

Ⅲ 日本のコンフォートフード
 1. コンフォートフード―次世代へつなげたいふるさとの味/今田節子
 2-1.故郷・北九州のコンフォートフード/江頭宏昌
 2-2.きつね、食べたことありますか?関西の定番、おつゆのうどん文化/熊谷真菜
 2-3.黒と白の海と草原につながる食品/石井智美
 3.クックパッドにみる「懐かしい食」/伊尾木将之
 4.「ほっとする食」の科学的アプローチ/山崎英恵

特集まとめ 「おいしさ」の記憶/石田雅芳

<連載>

☆コーヒー・ハウスの文化論(第2回)「「ペニー大学」と呼ばれたコーヒー・ハウス」

 /太下義之

☆歌舞伎のレシピ(第1回)「義士を悩ます蛸の足」/堀越一寿 

☆大食軒酩酊の食文化(第51回)「酩酊の昼食」/石毛直道

☆文献紹介 松島憲一著 『とうがらしの世界』/山本宗立

ご注文はこちら

メルマガ会員限定vestaバックナンバー

無料で登録できるメルマガ会員向けに様々な情報を公開していきます。
このサイトでは、食文化誌『vesta』のバックナンバーの一部や映像の先行公開などをご覧いただけます。

※メルマガ会員サイトのログインID・パスワードは配信メールにてお知らせいたします。