Washoku 「和食」文化の保護・継承活動の報告コーナー

『和食の無形文化遺産化:意見交換会』に密着 その1

2013年06月21日(金)

会場 「新地町農村環境改善センター」視聴覚研修室
主催 第1部 農林水産省

REPORT

今回は、東京を飛び出し、福島県の新地町で開かれた意見交換会を追ってみた。

会への参加者は、味の素食の文化センター(以下、センター)の皆さんが、親しみをこめて「しょっかい(食改)さん」と呼ぶ「食生活改善推進員」の方々だ。開催地の新地町、同じく福島の南相馬市、さらに宮城県の亘理町、山元町と4地域から、それぞれ自治体の健康政策担当者(主に栄養士さん)と食生活改善推進連絡協議会の会長、副会長さんたちが集まった。講師はおなじみの農水省食ビジョン推進室の久保田一郎室長。

この企画実現の立役者は、味の素株式会社CSR部社会貢献担当部長、前原誠一郎さんだという。3月10日のシンポジウムで、東日本大震災の被災地での取り組みを熱く語った、あの前原部長が、その活動を活かして、日頃タッグを組んでいる福島、宮城の皆さんを一堂に集めたというわけか。「意見交換」は、国の行政(つまり、農水省食ビジョン室)と市民(と言っても実践者)とのそれだけでなく、日頃、地域ごとに動いている「しょっかい」さんたち同士の対話もねらったものなんだ。

 

会の「目的」も、当日配布のペーパーにきちんと記されていた。

○和食の無形文化遺産化と、農水省の食文化関連施策の理解を図る。

○食生活改善推進員の地域での活動を共有し、意見交換する。

○無形文化遺産化など農水省の食文化関連施策について意見交換する。

○復興支援現場の活性化に資する。

うーん、さすがに朝の10時から夕方4時まで、一日みっちりやる会だけのことはあるなあ。こちらも何か引き締まる思いがする。席に着いた皆さんの顔も真剣だ。

 

定刻に、センターの飯田祐史事務局長の司会で開会。最初に鈴木郁男専務理事が挨拶に立ち、無形文化遺産化への応援とともに、各地域に根ざした「食改(食生活改善)」の活動を日頃指導する立場の皆さんの、市町を越えた交流の場となれば、との期待を述べ、続いて“人生の応援団長”前原部長からも一言(いや三言?)。まずは、先祖から受け継ぐ食文化を大事にし、地域の復興・健康維持に果たしている食改活動の役割を目の当たりにし、横の連携を図れたらと去年から模索していたことを披露。そうか、前原さんはそんなに前から考えていたんだ。さらにCSR部の活動も報告、2011年5月に転任以来、開いた「健康栄養セミナー」は394回(6月20日時点)、月に35~37回ペースで、35市町村の延べ6000名の方が参加され、社員ボランティアも500名を数えると。すごい、これが継続されているんだ。「皆さんの復興の足取りが確かになるまで、端的には仮設住宅から全員が出て行かれるまで支援する」という、味の素グループの方針を伝え、熱いエールを送った。参加の方々から大きな拍手が起こる。ちょっとじーんとするな。東北は熱いぞ!!

 

続いて、参加者の自己紹介が行われ、いよいよマイクは、いや「マイクなし」です、皆さん声が大きいからと。久保田室長の出番となった。(その2に続く)