大食軒酩酊の食文化

ヨーグルトと酒

vesta 110号掲載

野菜ジュース、自家製プレーンヨーグルトとそれに混ぜるドライフルーツ入りのポップコーン、果物、ガラスの小皿にいれた薬の錠剤と黒ニンニク、ウーロン茶から構成された酩酊の朝食。

 料理好きのわたしではあるが、朝寝坊なので、自宅で朝食をつくることはほとんどない。朝9時頃になって食卓にむかうと、2時間も前に朝食を終えた家内が用意した、わたしの食事が並べてある。

 

 まず、既製品の野菜ジュースか青汁をコップ1杯飲む。つぎにヨーグルトを130グラムくらい食べ、黒ニンニク1片を口にしてから、果物を食べる。最後に糖尿病と高血圧、コレステロールの薬を飲んで,朝食が終了。朝食の飲み物は、ペットボトル入りのウーロン茶。このほかに、前日の夕食のあまりものや、クラッカーやラスクなどが加わることもある。

 

1日分の野菜が摂取できるという濃縮野菜ジュースや青汁、乳酸菌たっぷりのヨーグルト、匂いがせず体によいという黒ニンニク、ビタミンCなどが豊富な果物から構成される、わたしの朝食は健康食である。平均すると朝食の摂取熱量は350キロカロリー程度である。3時間もしたら昼食なので、朝食はダイエット食にしている。

 

 

 ヨーグルトは自家製で、甘味などの味つけをしていないプレーン・ヨーグルトである。朝食のさいには、コーンフレークなどのシリアル食品やドライフルーツを混ぜたりして食べている。

 

 1リットルの牛乳パックを、つぎつぎと発酵させてはヨーグルトをつくるので、わが家の冷蔵庫にはいつでもプレーン・ヨーグルトが貯蔵されている。そこで、マヨネーズにヨーグルトを混ぜてサラダのドレッシングにしたり、シチューに入れたりして、ヨーグルトを料理にも使用している。

 

 酒飲みのわたしのことである。ヨーグルトにさまざまな種類の酒を混ぜて口にすることも試してみた。ヨーグルトに同量くらいの酒を加えて、泡立て器でかき混ぜると、液体状になる。これをコップに入れて飲むと、濃厚な質感がありながら、さわやかさも感じさせる味がする。

 

 甘いリキュール類はもちろんのこと、意外なことに日本酒や焼酎を混ぜてもいけるのである。とくに甘口の日本酒が、ヨーグルトの味をひきたてるようだ。わたしは、ほのかな酸味のするプレーン・ヨーグルトは、酒との相性がよいことを発見した。

 

 「発見」と記してしまったが、それはわたしにとっての個人的発見である。調べてみると,プレーン・ヨーグルトと酒の相性がよいことはよく知られており、ヨーグルトと酒を合体させたさまざまなアルコール飲料があることがわかった。 

 

ヨーロッパでは、ウオッカやジンでヨーグルトを溶き,フルーツジュースやソーダを加えたカクテルがよく飲まれる。また、ヨーグルトに酒や醸造アルコールを混ぜてつくるヨーグルト・リキュールも市販されている。

 

 日本でも,日本酒とヨーグルトを材料とするヨーグルト・リキュールを,さまざまな酒造会社が製造販売していることもわかった。

 

 

ヨーグルト酒のうまさを知ったら、朝食のヨーグルトにも酒を混ぜたくなった。そうしたら朝食が、もっと楽しくなるだろう。

 

 しかし、それだけはよそうと思う。昼食、夕食に酒を欠かせないのが、わたしの食習慣である。朝食からアルコールを口にするようになったら、家内から離縁されてしまうだろう。

 

 朝食のヨーグルトに酒を加えないかわりに、昼以後にヨーグルトと酒を楽しむ方法を開発した。

 

 梅酒やコーヒー・リキュールをヨーグルトに混ぜるのだが、加える酒の量をすくなくして、液体ではなくペースト状にとどめておく。これをスプーンですくって口にするのである。

 

 この酒をいれたヨーグルトにあう飲み物は、コーヒー、紅茶、ジュース類ではなく、いちばん相性のよいのがブランデー、ウイスキーなどの蒸留酒である。酒を肴に酒を飲むのである。

 

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