『vesta』140号「きのこを食べる文化」

『vesta』140号

「きのこを食べる文化」

2025.10.10
特集アドバイザー 山田明義(信州大学 学術研究院農学系 教授)

 きのこをヒトが太古の昔から利用してきたことは、日本を含めた世界各地から出土する考古学的な遺物や書物から、次第に明らかにされつつある。
 とりわけ日本列島のように森に覆われた大地には無数のきのこが生息し、それを活用してきた祖先からの食文化が、今日の我が国のきのこ栽培産業を創出したといっても過言ではない。
 本号ではきのこと食の関係について、そうした歴史的背景から今日の学術的知見や栽培技術に至るまで、きのこについて幅広く横断的に解説・論ずる形をとっている。
 気になる頁から読み進めると、結局は全頁に目を通すことになるだろう。
 こうした内容を通じて、きのこに対する親しみが増し、もっときのこを食べて健康を維持したいという気持ちが芽生え、さらには自然界におけるきのこの大切さを実感するようになるのではないか。
Ⅰ きのこと日本の食文化
 1 日本のきのこ食の歴史-森林ときのこの関係から/増野 和彦
 2 あなたに伝えたいしいたけの文化/川村 倫子
[コラム]マツタケに魅了される日本人/古川 仁
 3山のめぐみ、食のよろこび-採って、味わい、語り継ぐ 天然きのこを美味しく調理する極意/編集部 お話を伺った方:丸山大輔
Ⅱ 世界のきのこ食紀行
 1 欧州と日本のきのこ食文化/吹春 俊光
 2 ヒマラヤの緑の宝石ブータン王国のきのこ食事情と栽培技術の進展/金子 周平
[コラム]山の恵を味わう-タイの伝統に息づくきのこ料理の数々/梅本 昌男
 3 香りの宝石-イタリアにおけるトリュフの食文化史/佐藤 モカ
 4 我が国に自生するトリュフの栽培技術開発-地域活性に向けた方向性/山中 高史
[コラム]東北地方におけるきのこの食文化/菅原 冬樹
[コラム]四季と楽しむきのこ狩りの魅力/中沢 恵美
 5 きのこの食と毒の境界を探る-きのこ食文化の背景をなす「毒きのこ」の食利用に関する考察/山田 明義
Ⅲ きのこを楽しむ科学と技術
 1 きのこの調理の科学/宮澤 紀子
 2 おいしいきのこを生産するために/下田 隆史
[コラム]きのこを特徴づける多様な成分/下川 知子
[コラム]菌類発の代替肉、マイコプロテインの動向/升本 宙
 3 きのこと健康の関係-どのようにして私たちの健康を支えてくれるのか?/森 光一郎
特集まとめ きのこは、我々を超えた存在である・・・/山田 明義

<連載>
☆「伝えたい残したい日本の味」(第2回)「漬物」/向笠 千恵子
☆大食軒酩酊の食文化(第70回)「儒教圏の家族と食事」/石毛 直道

☆文献紹介 岩間 一弘=著『中華料理と日本人-帝国主義から懐かしの味への100年史』/殷 晴

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