『vesta』135号「進化する宇宙食 -月で何食べる?-」

『vesta』135号

「進化する宇宙食 -月で何食べる?-」

2024.07.12
特集アドバイザー 山田研(辻調理師専門学校 教育研究センター センター長)

 人類で最初に宇宙空間で食事をしたのは、1961年に世界ではじめて有人宇宙飛行に成功したガガーリンであるとも、2人目のゲルマン・チトフ宇宙飛行士であるとも言われている。
 食事内容は、無重力の環境で人が食べ物を飲み込めるかどうかわからなかったために、チューブ入りやトレイに充填されたペースト状の食品だった。
 この黎明期の宇宙食は、宇宙飛行士たちから「離乳食のようだ」と評判が悪く、その後、宇宙でも食べ物の嚥下や消化はできるとわかり、ペースト食は廃止され、宇宙食の種類は増えていくことになる。
 60年後の現在、宇宙空間で食事するのはプロの宇宙飛行士に限定されない時代になった。月や火星での長期滞在や食料生産も計画され、宇宙でもQOLを高める食事が求められている。宇宙食の進化と多様化はとどまるところをしらない。そんな宇宙食の動きを多角的に捉える機会になればと思う。
Ⅰ 宇宙で暮らす
 1 人類が宇宙で暮らす時代に向けて/木村 真一
 2 月・火星で過ごす未来/向井 千秋
 3 宇宙における水の調達/佐伯 和人
 4 スペースガストロノミー -宇宙で食べる料理-/米田 肇
Ⅱ 宇宙食の歴史
 1 宇宙食開発の歴史/中沢 孝
 2 フランスにおける宇宙食について/伊藤 文
 [コラム]イタリアにおける宇宙食の今、そして未来/佐藤 モカ
 [コラム]タイ料理、宇宙でも人気を呼ぶか?/梅本 昌男
 [コラム]「十勝大地の贈り物」宇宙へ -宇宙で食べるとろろ-/有塚 利宣
 3 映画やマンガで描かれた「宇宙食」を読み解く/阿古 真理
Ⅲ 日常生活への応用/現在の取組
 1 共創から生み出す、宇宙新時代の食文化/菊池 優太(聞き手 國府田 淳)
 2 ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の潜在能力/鈴木 健吾
 3 資源循環型の培養肉生産システムと宇宙食への応用/清水 達也
 4 「有人宇宙開発に貢献しうる宇宙食の開発」について
   私の人生の師との出会い/二川 健
 5 宇宙食を通じたサステナブル・ガストロノミーへの挑戦
   -限られた食材による持続可能で多様なおいしさ作り-/山田 研・迫井 千晶・秋元 真一郎・野中 覚
 6 宇宙食と災害食 極限環境での食を考える/坪山(笠岡)宜代
特集まとめ 宇宙食の主題による変奏曲/山田 研

<連載>
☆台所史探訪(9)「戦後住宅における台所のデザイン-食空間をつなげる試み-」/須崎 文代
☆大食軒酩酊の食文化(第65回)「酒肴と主食」/石毛 直道

☆文献紹介 守屋 亜記子=編 公益財団法人味の素食の文化センター=企画
 食の文化フォーラム『朝鮮半島の食 韓国・北朝鮮の食卓が映し出すもの』/林 史樹


<みるvesta>

☆映像アーカイブス「みるvesta」

・進化する宇宙食 ロング

・進化する宇宙食 ショート

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