『vesta』109号
「つけもの文化」
2018.01.12
特集アドバイザー 中澤 弥子(長野県短期大学生活科学科教授)
日本では各地の風土にあった野菜の栽培と漬け方などにより、多種多様な漬物が発達している。全国的には漬物消費は年々減少しているが、近年、野菜の漬物に豊富に含まれる食物繊維、ビタミン、ミネラルや植物性乳酸菌などの健康面への寄与が報告されており、漬物の価値を改めて見直してほしいと思う。
長野県飯山地域では、野沢菜漬と炒った地豆(落花生)を一緒に口に入れてよく噛んでいると雉肉の味のようなうまい味になるという。学校給食で口中調味をおいしく伝えるには、地域の伝統の漬物は恰好の教材だと思う。
本特集では、野菜の漬物を対象とし、日本をはじめ、世界の代表的な漬物文化を紹介した。
個性豊かな漬物文化への理解を深め、漬物に新たな価値を見出すきっかけにしたいと願う。
長野県飯山地域では、野沢菜漬と炒った地豆(落花生)を一緒に口に入れてよく噛んでいると雉肉の味のようなうまい味になるという。学校給食で口中調味をおいしく伝えるには、地域の伝統の漬物は恰好の教材だと思う。
本特集では、野菜の漬物を対象とし、日本をはじめ、世界の代表的な漬物文化を紹介した。
個性豊かな漬物文化への理解を深め、漬物に新たな価値を見出すきっかけにしたいと願う。
<特集>
巻 頭 今に伝わる日本の漬物
Ⅰ 日本の漬物
1 漬物と日本人/小泉 武夫
2 日本の漬物の成立/小川 聖子
<Column>きゅうりのキューちゃん/小川 聖子
<Topic>萱津神社と香の物/小川 聖子
3 【漬物めぐり】信州の二大漬物 野沢菜漬・すんき/中澤 弥子
<Column>学校給食に、和食の基本要素 漬物の導入を!キムタクごはんの紹介/中澤 弥子
<Column>信州の漬物 春夏秋冬/中澤 弥子
4 【漬物めぐり】山形県の在来野菜と漬物の食文化/江頭 宏昌
<Column>京都でよかった/平井 達雄
<Column>漬物は「ケ」の味わい-「インスタ映え」を超えて/上澤 佑基
Ⅱ 世界の漬物
1 中国の漬物/川口 幸大
2 アトウッ(和え物)として楽しむ漬物-ミャンマーのお茶の漬物ラペッソー/山本 文子
3 パンチのきいたインドのピクルス、アチャール/小磯 千尋
4 ロシアの冬の食卓を豊かに彩る夏のダーチャの恵み/豊田 菜穂子
5 東地中海沿岸アラビア語圏の漬物/菅瀬 晶子
<連載>
嗜好品の文化論/髙田 公理
(第3回)「現代日本社会における嗜好品」
【番外編】嗜好品の文化論/藤本 憲一
「まずい給食」VS「茶の美学」-「アンチ・ストレッサー」としての視点から
すべての道は「食」に通ずる-イタリア-/宇田川 妙子
(第4回)「グローバル化の中を生きる食と「地域」」
【新春特別寄稿】大食軒酩酊の食文化/石毛 直道
(第38回)「年末年始の食生活」
大食軒酩酊の食文化/石毛 直道
(第39回)「柳陰」
文献紹介 マッシモ・モンタナーリ著 正戸あゆみ訳『イタリア料理のアイデンティティ』/山辺規子