『vesta』101号
「世界の食文化無形文化遺産」
2016.01.10
特集アドバイザー 岩田 三代(いわた みよ)
2013年12月、「和食―日本人の伝統的な食文化」がユネスコの無形文化遺産に登録されたとのニュースが飛び込んできた。人間は食べずには生きられない。世界にはどこにも風土に合わせ祖先がつむいできた多様な食文化がある。そうした中で和食が登録された意味は何か。フランスやトルコ、メキシコなど同様に登録された国々ではどんな取り組みが始まっているのか。現代はグローバル化、情報化が進み世界の文化はこれまでにない速度で混じり合っている。そうした状況は食文化にどんな影響を及ぼすのか。はたして和食の未来は? 街では外国人観光客がそばや寿司をおいしそうに食べている。そんな姿を横目に「食の無形文化遺産」から世界の食を眺めてみようというのが本企画の狙いだ。
巻頭:ユネスコ無形文化遺産となった食文化とは?/編集部
Ⅰ 食の無形文化遺産 インタビュー
第8代ユネスコ事務局長・松浦 晃一郎氏(聞き手:岩田 三代)
Ⅱ 日本編
1 和食が無形文化遺産に登録された過程から見えてきたこと/熊倉 功夫
2 ユネスコ無形文化遺産に登録された和食文化/中澤 弥子
3 グローバル化時代の和食/石毛 直道
<トピック>海外のシェフから見た和食の魅力/的場 輝佳
Ⅲ 世界編
1 ユネスコ無形文化遺産登録がもたらしたのも-フランスの場合/八木 尚子
2 地中海の食事/山辺 規子
<コラム>イタリア人とカンパニリズモ/茜ケ久保 徹郎
3 ユネスコ無形文化遺産に登録された食文化の保護・継承活動
-フランス・スペインの食文化教育を中心に/東四柳 祥子
4 トルコの食文化/鈴木 董
<コラム>「ケシュケキがユネスコの無形文化遺産に登録されたのを
知っていますか?」/エルデム 縁
5 ユネスコ無形文化遺産-キムチ"ヤン文化/守屋 亜記子
6「クヴェブリ」がつくるグルジアワイン/児島 康宏・ゴツイリゼ 児島 メデア
<エッセイ>知られざる大衆食の王、トルタ/星野 智幸
Ⅳ まとめ
「食は変わり、変わらない」/岩田 三代
<連載>
アメリカの食とは一体なんなのか(第1回)/東 理夫
「アメリカ料理はいつできたのか」
<コラム>推理、ハイボール誕生
再発見!日本の食-日本のくらしと食のしかけ(第4回)
「雪が育む伝統の味 西和賀町の凍み大根」/文・二村 悟 写真・小野 吉彦
大食軒酩酊の食文化(第30回)「雑煮」/石毛 直道
旅の記録と食(第11回)「遣米使節たちの文明体験」/山本 志乃
文献紹介 東 理夫 著『アメリカは食べる。-アメリカ食文化の謎をめぐる旅』/原田 美知子