
『vesta』79号
「虫を食べる文化」
2010.07.10
責任編集 高田 公理(佛教大学教授)
今日、「虫を食べる」というと、日本人の多くは驚き、かつ嫌悪の表情をあらわにしがちだ。
いったい「食べられるもの」と「食べられないもの」の線引きは、何を基準に、どのようになされるのだろうか。
自然と人間のかかわり、将来の食糧問題などにも目配りしながら「虫をたべる文化」について、あらためて考えてみたい。
(巻頭言より)
日本人はどんな虫を食べてきたか 野中健一
商品としての虫、レジャーとしての虫 野中健一
ミツバチとその生産物の利用 松香光夫
イモムシ食あれこれ 三橋 淳
サルから学ぶ虫(むし)グルメ 布施未恵子
エッセイ 虫を食べる 奥本大三郎
生薬としての虫の利用 金 成俊
未来の昆虫食 三橋 淳
虫を食べるということ 高田公理
〔レギュラー〕
大食軒酩酊の食文化8「花見のご馳走」 石毛直道
食べる人たち11「おいしゅうございます」は感謝の心 ゲスト・岸 朝子/聞き手・宇田川 悟
民話に見る食5 「食わず女房」 石井正己
イギリス料理はなぜまずくなったのか 2 本城靖久
シンポジウム『動物の消費とその限界』より ジャーヌ・コビー/林 耕次/秋道智彌
文献紹介 西澤 治彦著『中国食事文化の研究―食をめぐる家族と社会の歴史人類学』 南 直人