
『vesta』46号
「香りと匂い/食生活指針によせて」
2002.04.05
責任編集 小林 彰夫(茨城キリスト教大学教授)
表紙画:奥山民枝
本号はふたつの特集を一挙に掲載することとなった。
特集1「香りと匂い」
特集2「食生活指針によせて」
である。
一見、無関係な2テーマの様に受けとられる方も多いと思うが、食文化誌である「ヴェスタ」の立場からすれば、話題はあくまでも人間および人間生活が主体。そこでは食べ物の「おいしさ」も「健康」も同時に論じられて当然、というのが編集者の考えであった。問題は違和感なくこれらの特集をドッキングさせられるか。異質の材料を一皿に盛る料理人の味付け、香りづけの成果や如何?
――巻頭言・小林彰夫より――
座談会 「香りと匂い」 小林 彰夫・ 岡崎 義郎・ 小泉 武夫・ 伏木 亨
スパイスの活用面からみた世界の食文化比較論 武政三男
ワインと香り 吉澤 淑
エッセイ ポプリからシェイクスピアへ —- 私の“香りのあるくらし” 熊井明子
東南アジアで好まれる香りのある食用植物吉田よし子
ミノア人とミケーネ人―彼らの時代のフレーバー 相良嘉美
座談会 「食生活指針によせて」 小林 彰夫
健康づくりのための指針のすすめ 豊川裕之
食事と栄養 山本 茂
若者の食と食生活のありかた 疋田正博
食の伝承 神崎宣武
医療と食事 丸井英二
無駄を省く 島田淳子
〔レギュラー〕
ヨーロッパにおける食文化研究のひろがり ―第七回ICREFHシンポジウムに参加して― 南 直人
野生食をたずねて・3 太古からの甘味~ハチミツ 監修・ 小山修三/執筆・岡野洋子・原淳
特別座談会 日欧・食文化談義 M・モンタナーリ・阿部謹也・熊倉功夫・山辺規子・稲森俊介
カラー企画
世界の食の情景3・タイ バンコク旧市街クイティアオのお散歩 解説:山田均/写真:大村次郷
中国食文化情報3・中国人の会食好き 賈蕙萱
食からみた日本史 近代の食2 メニューと食材 ―「滋養・栄養」から「味・かおり・みた目のうつくしさ」へ ― 高田公理
ヨーロッパにおける粉挽きの歴史 水車と風車・2 ― 水の流れと水車のタイプ ― H.ムラー/長尾精一 編訳
エッセイ 「上方落語の飲食物」 石毛直道
文献紹介 ヨーロッパ食文化研究のために⑪ 『中世ポーランドの飲食』 カタジーナ・チフィエルトカ
取材 食の学習現場から 郷土食の伝承を通じて広がる食育の輪
-長野県中野市食生活改善推進協議会の試み- 草野美保
文献紹介 角山 栄著『「生活史」の発見』(南直人)