食文化の探求

食文化に興味のある方、研究されている方にもご覧いただきたい食文化を探求する記事です。

食でひもとく浮世絵の楽しみ

林綾野(はやしあやの)

慶長8年(1603)徳川家康によって江戸幕府が開かれます。それから260余年、戦乱のない世の中で人々は新たな暮らしを築き、それまでにない文化を育みました。生活が安定し、心にゆとりを持てるようなった庶民たちは娯楽を求めるようになります。そんな中で浮世絵も生まれました。
役者や美人、諸国の風景や人々の暮らしの様子など、江戸を彩るあらゆるものが浮世絵のテーマとなりました。 そして決して数は多くありませんが「 食のシーン 」もそこに見つけることができます。
江戸時代、醤油や味醂、酢など の調味料の普及や生産性の向上、流通の発展に伴い、食文化も目覚ましい発展を遂げました。そんな江戸の食模様を手がかりに浮世絵を見つめてみたいと思います。

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