第1部文化財行政の在り方地域での継承の動き 2014年03月03日(月) 講師:上谷 律子 REPORT 上谷 律子 氏日本食生活協会会長 日本食生活協会では、平成15年に各県単位で日本の郷土料理史を『次世代につなぐ各県の郷土料理』という1冊にまとめました。続いて『長寿日本伝承の味』をまとめ、翌16年に全国一斉に各県の上位郷土料理3つを、各小中学校に入って活動を進めていったという経過があります。 各県で郷土料理の講習会を催しましたが、対象は親子の食育教室の参加者、もしくは小中学校という形を考えました。特に、若い世代の親や栄養士さんたちには郷土料理を教えられない人も増えたため、この食生活改善推進員が講師となり郷土料理の講習会を展開してきました。 私ども食生活改善推進員は全国各県で組織され、ほとんどの市町村に協議会を持っています。延べ人数にして、年間1,500万人の対象者に対して何らかの指導活動を行っており、開催回数は延べ250万回。組織力と行動力を使いながら保育所や小中学校、教育委員会の依頼による教職員に対する郷土料理の講習会を行っています。 地域活動の例として、愛媛県新居浜市協議会は、小学校・公民館・学校という三者の連携による、お正月後の七草粥を食べる会の開催を行っています。春の七草は小学校2年生で学び、 3年生になると学校長が全員を引率して公民館に移動し、その日は、七草粥のルーツ、七草粥のクイズ等で楽しんだ後に七草粥をいただきます。この行事が10年以上続けられています。始まりは、学校給食の野菜の残菜が多いのに気づいた食生活改善推進員の母親が驚き、野菜の美味しさを子供たちに教えたいと思った事がきっかけとなったそうです。 また、島根県浜田市協議会では、市内の1つの小学校で1年生から6年生までの生徒を対象に、市の郷土料理を一学年に1品ずつ体験し、年次が上がるたびに品目を増やして実習しています。生涯教育学習の時間を利用しており、教頭先生が中心となり、料理は食生活改善推進協議会が指導、施設及び経費は公民館が持ってくれ、お互いの責任を分担しながら進められています。 今、私は内閣府の食育委員会の委員を務めています。現在、全国の学校の米飯給食を平均週3日にしようという目標になっています。既に3日をクリアした学校もありますが、なかなか進まないところは、給食施設が、米飯給食を実施できる体制がまだ整っていない事が大きな原因となっています。 食材についても、温暖化が進行する中で、地産地消の産物も変化が見られます。このような状況下では、郷土料理は継承しつつも、郷土食材に固執することなく、そのよさを継承していくことが大事なことではないかと考えます。
日本食生活協会では、平成15年に各県単位で日本の郷土料理史を『次世代につなぐ各県の郷土料理』という1冊にまとめました。続いて『長寿日本伝承の味』をまとめ、翌16年に全国一斉に各県の上位郷土料理3つを、各小中学校に入って活動を進めていったという経過があります。
各県で郷土料理の講習会を催しましたが、対象は親子の食育教室の参加者、もしくは小中学校という形を考えました。特に、若い世代の親や栄養士さんたちには郷土料理を教えられない人も増えたため、この食生活改善推進員が講師となり郷土料理の講習会を展開してきました。
私ども食生活改善推進員は全国各県で組織され、ほとんどの市町村に協議会を持っています。延べ人数にして、年間1,500万人の対象者に対して何らかの指導活動を行っており、開催回数は延べ250万回。組織力と行動力を使いながら保育所や小中学校、教育委員会の依頼による教職員に対する郷土料理の講習会を行っています。
地域活動の例として、愛媛県新居浜市協議会は、小学校・公民館・学校という三者の連携による、お正月後の七草粥を食べる会の開催を行っています。春の七草は小学校2年生で学び、
3年生になると学校長が全員を引率して公民館に移動し、その日は、七草粥のルーツ、七草粥のクイズ等で楽しんだ後に七草粥をいただきます。この行事が10年以上続けられています。始まりは、学校給食の野菜の残菜が多いのに気づいた食生活改善推進員の母親が驚き、野菜の美味しさを子供たちに教えたいと思った事がきっかけとなったそうです。
また、島根県浜田市協議会では、市内の1つの小学校で1年生から6年生までの生徒を対象に、市の郷土料理を一学年に1品ずつ体験し、年次が上がるたびに品目を増やして実習しています。生涯教育学習の時間を利用しており、教頭先生が中心となり、料理は食生活改善推進協議会が指導、施設及び経費は公民館が持ってくれ、お互いの責任を分担しながら進められています。
今、私は内閣府の食育委員会の委員を務めています。現在、全国の学校の米飯給食を平均週3日にしようという目標になっています。既に3日をクリアした学校もありますが、なかなか進まないところは、給食施設が、米飯給食を実施できる体制がまだ整っていない事が大きな原因となっています。
食材についても、温暖化が進行する中で、地産地消の産物も変化が見られます。このような状況下では、郷土料理は継承しつつも、郷土食材に固執することなく、そのよさを継承していくことが大事なことではないかと考えます。