
『vesta』83号
「世界の餃子とその仲間」
2011.07.10
責任編集 石毛 直道(国立民族学博物館名誉教授・民族学者)
ユーラシア大陸の各地に餃子の仲間が分布するが、日本人が餃子の味を知ったのは第二次大戦終了後のことである。このあたらしい料理は急速に普及し、いまでは国民食のひとつにまで成長した。
この特集を編集するにあたって、ユーラシア大陸での餃子状の食品の分布の歴史について調べてみたが、歴史の闇にかくされて、わからないことだらけである。
本誌を読んで、餃子の食文化について本格的に調べてやろうという人が出現することを願うしだいである。
(巻頭言より)
世界の「餃子型食品」大集合 監修 石毛直道
餃子ロードをさぐる 石毛直道
史料のはざまに隠されたものをたずねて―餃子の歴史について(中国) 張 競
家族の味 バンシ (モンゴル) 齋藤美代子
韓国マンドゥ七変化(韓国) 守屋亜記子
マントゥ―トルコ・ギョウザとその背景(トルコ) 鈴木 董
歴史をつつむロシア風餃子ペリメニ(ロシア) 三浦良子
ラヴィオリとその仲間たち(イタリア) 中山エツコ
日本の餃子―普及と定着(日本)
日本の餃子の実態
全国ご当地餃子
冷凍食品の餃子 編集部
〔レギュラー〕
グローバル時代のレバノン料理2(最終回)レバノンにおけるスローフードの挑戦 黒木英充
大食軒酩酊の食文化12「鯛焼きの甘酢あんかけ四川風」 石毛直道
食べる人たち15 「チョコレート」は私の万能薬 ゲスト・楠田枝里子/聞き手・宇田川 悟
B級ご当地グルメの魅力2 「定着」 小林 哲
伝統を今に伝える1 手火山式 鰹節製造 久田浩司
日本のワイン2 世界に羽ばたく国産ワイン 柳田藤寿
民話に見る食9 「馬鹿婿」 石井正己
文献紹介 アルベルト・カパッティ、マッシモ・モンタナーリ著『食のイタリア文化史』 山辺規子