『vesta』76号
「世界のクリスマス・正月」
2009.10.10
責任編集 森枝 卓士(写真家・文筆業)
クリスマスにはチキンやケーキを食べ、1月1日には、お正月の特別な料理を食べる。それが当たり前だと思いがちだ。だからか、「××のお正月料理について」、書いてくれというメディアの依頼が毎年のようにあった。
世界を見渡すと、クリスマスのご馳走は国により、地域により異なる。正月=新年は、西暦の1月1日とは限らない。
決まったご馳走があるかどうかさえ、違う。
今回の特集では、クリスマスと正月の食について、特にあまり知られていない地域を中心に見ながら、ハレの日とご馳走について考えてみたい。
(巻頭言より)
クリスマスと正月の情景 森枝卓士
ヨーロッパのクリスマス菓子 舟田詠子
クリスマスの過ごし方 寺田勇文
フィンランド―サンタクロースの国のクリスマス料理 石野裕子
チェコ―「大盤振舞の日」と「楽しいクリスマス」 石川達夫
フランス―聖夜の晩餐をめぐる様々な風景 平野いづみ
ロシア―1月7日のクリスマス ヴェヴュルコ陽子
クリスマス料理の世界地図
世界の暦と正月 諏訪春雄
シンガポール―都市国家と4つの正月 糸林誉史
イラン―もてなしの脇役、アジール 山中由里子
ユダヤ人―ユダヤのお正月とハヌカ 村田靖子
日系ブラジル人―戦前から現在のクリスマスと正月 森 幸一
特別な日に、特別なご馳走を食べること 森枝卓士
〔レギュラー〕
メディアと家庭料理③ラジオの料理番組と主婦イメージ 村瀬敬子
錦絵が語る食文化⑥ 江戸の握りずし 飯野亮一
大食軒酩酊の食文化5 豆腐ピザ 石毛直道
食べる人たち 8 マナーに始まる食卓外交 ゲスト・西浦みどり/聞き手・宇田川 悟
昔話に見る食文化2 かちかち山 石井正己
文献紹介 石毛直道著『石毛直道 食の文化を語る』 井上 如