
『vesta』74号
「変わりつづける『世界の食文化』」
2009.04.10
責任編集 南 直人(京都橘大学教授)
いまわれわれは歴史の大きな転換点にある。
このことばは、昨年からしばしば経済や金融の問題として語られているが、おそらく政治や文化も含め、社会全体にあてはまる。そして、食の世界も無関係ではなかろう。
本号は、財団法人味の素食の文化センター設立20周年記念号にもあたり、世界各地の食文化の現在、そして未来を考察する多くの論考が集められた。
これからの人類にとっての食のゆくえを案じつつ、ぜひご一読願いたい。
現代日本における食生活の変貌 原田信男
食卓は語る―家族の関係と価値観 岩村暢子
"発見"され続ける「ご当地グルメ」 野瀬泰申
現代中国人の食生活―変わるものと変わらないもの 西澤治彦
キムチ・ナショナリズム 朝倉敏夫
モンゴルの変わる食、変わらない食 小長谷有紀
コラム ロシアの食生活で変わったこと 沼野恭子
タイの食文化この20年―外食産業が一気に表舞台に 前川健一
マジェスティックでマティーニを?インドシナの酒の情景 森枝卓士
インドのファストフード 小磯 学
コラム ケータリングと出張コック ―マハーラーシュトラ州プネー(プーナ) 小磯 学
インドネシアの外食文化と都市に生きる職業女性 阿良田麻里子
イラクの食―戦争と肉(ラフマ)料理 酒井啓子
レバノンのスシ 黒木英充
トルコの社会と食の「西洋化」の転換点―「西洋の衝撃」への応答 鈴木 董
腹いっぱいの悪夢―オーストラリアの食 小山修三
「地球に負担をかけぬ食」への変化 本間千枝子
アンデス山中の農村における食生活の変化 山本紀夫
アラスカ先住民イヌピアックの捕鯨とクジラ料理 岸上伸啓
紅茶とコーヒーのせめぎあい―変わるイギリスの飲み物事情 指 昭博
ドイツの食の現在 南 直人
ブォナ・ペティート―やっぱり食べるイタリア人 山辺規子
変わるスペインの食―人の移動をめぐって 立石博高
食のフランスモデルと朝食の変容 北山晴一
セネガル人の国民料理「チェブ・ジェン」の変容 小川 了
コラム 超高級魚になったチョーフ 小川 了
鼎談 世界の食文化はどう変わりつつあるか 南 直人・石毛直道・熊倉功夫
(今号は特別号につき、レギュラーはお休みしました)
(今号は特別号につき、レギュラーはお休みしました)