
『vesta』72号
「「洋食」150年―幕末から現代まで」
2008.10.10
責任編集 川村 邦光(大阪大学教授)
2009年、横浜・箱館(函館)・長崎は開港150周年を迎えます。
異人との遭遇、異文化との接触によって、ファッションや食も多くの影響を受け、ハイカラな文化が花開きました。
幕末から現代まで、「日本の知的遺産」といえる、洋食の来歴を探りつつ、食文化の変遷とともに、"和〟もしくは"日本〟がどのように生み出されていったのかも明らかにします。
コンセプトとしての"洋食"の発生と展開 川村邦光
横浜「洋食」事始め 齋藤多喜夫
洋食・日本・モダニズム―明治屋PR誌『嗜好』に見る― 菊地 暁
ソースをかければ、なんでも「洋食」!?―一銭洋食の流行― 熊谷真菜
一般家庭への洋食普及に尽力した人々 江原絢子
近代料理書にみる日本の異文化受容 東四柳祥子
かくして農村の洋食は始まった! 雑誌「家の光」より 安井眞奈美
洋食屋が考える「洋食」とは? 茂出木浩司
西洋料理食ひ様指南 近代日本におけるナイフ、スプーン、フォークロア 山口昌伴
「くいだおれ」と洋食 竹原明理
佐世保のハンバーガーから「佐世保バーガーへ」 笹原亮二
サザエさん一家の食卓と洋食 高度成長期の一光景 矢野敬一
〔レギュラー〕
北タイのモチ食文化―消え行く伝統菓子(カノム)を追って(上) 宇都宮由佳
大食軒酩酊の食文化2 病院食のミシュランを 石毛直道
食べる人たち ⑤ 中村勝宏に聞く 宇田川 悟
錦絵が語る食文化③ 江戸の料理茶屋 飯野亮一
文献紹介 ヨーロッパ食文化研究のために ポール・フリードマン編『食:味の歴史』 K.チフィエルトカ
湯本貴和編『食卓から地球環境がみえる―食と農の持続可能性』 田村眞八郎