
『vesta』65号
「食のことば」
2007.01.10
責任編集 佐竹 秀雄(武庫川女子大学 言語文化研究所長)
調理や味、挨拶など食にまつわる独特の表現や名称が日本各地に色濃く残っている一方で、新しい感覚のおいしさの表現も次々と生み出されている。
「食のことば」には食に対する姿勢や執着が反映されていて、だからこそ、そこから豊かな食文化の体系が見えてくるのである。
モチとダンゴとマンジューと―食のことば・食の文化― 篠木れい子
日本人にとってのご飯の味 川端晶子
魚にこだわる日本人 中井精一
アイヌの神の魚(カムイチェプ)「鮭」 木原仁美
鹿児島弁 VS 津軽弁 家庭の食の会話
「炊く」と「煮る」―生き残る食の表現― 佐竹秀雄
ことばの地域差とその背景―あなたの地域は天津飯、それとも天津丼?― 塩田雄大
俗語・隠語はなぜ生まれたか 米川明彦
変わる日本語 アマイ・カライ・ス(ッ)パイ・ニガイの「四味」の世界 安部清哉
勘違い用語「調理実習の現場から」
デビルズ・タングは食べもの!?―日本料理を英語で紹介― 西蔭浩子
食感表現の多い日本語、味覚表現が多い韓国語 張元哉
日中・官能評価奮闘記―五感をことばで表す難しさ― 河野一世
日本酒―魅力ある味の表現を求めて 吉田 元
擬音語・擬態語が豊富な食感(テクスチャー)表現 早川文代
カラー 全国「面白ネーミング」特産品・郷土料理
カラー 世界の言語で「おいしい!」と言ってみよう
「いただきます」「ごちそうさま」を言うために 佐竹 秀雄
〔レギュラー〕
エッセイ 食事の姿・古今東西 朧谷 寿
エサから食への進化(下) 人類における食の進化生物学 上野 吉一
アラブ・イスラム世界の饗宴② 饗宴の招待、婚宴 堀内 勝
海外「食」レポート⑦ 韓国 サラリーマンの飲み会風景 守屋 亜記子
インド ある農家の食 ヤニック・小原
文献紹介 山口昌伴著『台所の一万年 食べる営みの歴史と未来』 石毛直道