
『vesta』60号
「箸の文化―ごちそうを口へはこぶ道具」
2005.10.10
責任編集 山口 昌伴 (GK道具学研究所長)
日本人にとって、食べる道具―「食具」―ですぐに思い浮かべるのは、箸であろう。 だが、箸を使うアジアの国々でもスプーンとの併用、そして 使い方のマナーはさまざまである。
さらに世界を見回すと、ごちそうを口へはこぶには手・ナイフ・フォークがある。 なぜ、箸なのか、なぜ、フォークなのか。 料理との関係、そして人々が食具に抱いてきた思い入れ・・・
今回は箸を中心に食具の世界を探求してみよう。
Ⅰ 何を使って食べるか
巻頭・仮想(バーチャル)座談会 ごちそうを口へはこぶ道具 山口昌伴
食具の風景 スポットショット①インド 手食を修行する 山口昌伴
コラム「宇宙で食べる」 畑中菜穂子
食べ物のかたち―温度と食具― 石毛直道
Ⅱ 日本の「箸」文化
日本における箸の変遷 向井由紀子
銘々器考―箸と椀は、なぜ自分専用なのか?― 橋本慶子
コラム「宇宙で食べる」 畑中菜穂子
レポート① 箸の産地から ~福井県/若狭・小浜~ vesta編集部
レポート② 箸の専門店「夏野」 高橋隆太
Ⅲ 世界一周「食具」の旅
韓国 匙と箸の文化 朝倉敏夫
銘々器考―箸と椀は、なぜ自分専用なのか?― 橋本慶子
箸の発明―中国の食具の変遷― 木村春子
ベトナムの食生活と文学における「箸」 グュエン・ヴァン・チュエン、小長井 ちづる
モンゴル国のフォーク 内モンゴルの箸 小長谷有紀
英国の銀のスプーン ブリティシュホールマークについて 新埜好一
食具の風景スポットショット② 中国共餐主義の批判と公快のゆくえ 山口昌伴
食具の風景スポットショット③ フランスエスカルゴ挟みの正体 山口昌伴
〔レギュラー〕
和食のマナー② 「箸のあげおろし」 熊倉功夫
カラー企画 世界の食の情景15 ロシア「変わる食生活、よみがえる伝統料理」 解説:沼野恭子/写真:大村次郷
エッセイ 生かされている命を大切に 岸 朝子
絵巻物に見る食③ 「粉河寺縁起」 名児耶 明
文献紹介 赤井 達郎著『菓子の文化誌』 青木直己
文献紹介 ヨーロッパ食文化研究のために
ジョン・バーネット著『英国の外食 ―1830年から現代までの英国における外食の社会史』 カタジーナ・チフィエルトカ
海外「食」レポート② インド 「神様の誕生日」 ヤニック・小原