
『vesta』45号
「食器の文化」
2002.01.05
責任編集 奥村 彪生(伝承料理研究家)
表紙画:奥山民枝
民族が異なれば 顔も言語も異なる。
思想もまた同じその背景にあるのは気候風土。産物は気候風土に支配され料理と飲料は産物に支配される。
料理や飲料の着物として用いる器も 材質や形、絵柄、色調に民族性がでる。
食器は単なる容れ物ではなく、美術工芸品でもある。
本号は食器を通じて それを使う民族の思想にまでせまってみた。
その出来栄や如何。
--「巻頭のことば」(奥村 彪生)より
鼎談 「器の文化」 奥村彪生・高森寛子・山口昌伴
日本における洋食器普及の歴史と特色 白山和雄
―食の器― アジアの民族造形 金子量重
欧米の食卓にみる和食器の影響 伊藤 哲
食卓の楽園―食卓のイスラーム陶器の世界 尾崎/鈴木貴久子
現代人気作家「山背陶房」正木 春蔵氏に聞く ―「食器のありかた」 本多美和子
〔レギュラー〕
食からみた日本史 近代の食1 食糧―「米ぶそく」から「米あまり」にいたる百年 高田公理
古代中国の養老礼と犬肉の食用 桂 小蘭
食文化の「混血」とその記憶 ―ハワイにおける「ローカル」・フードの事例から 森 仁志
カラー企画 世界の食の情景2 トルコ・朝食の風景 解説:鈴木 董/写真:大村 次郷
ヨーロッパにおける粉挽きの歴史―水車と風車―その1 原始的な石臼から水力の利用まで H.ムラー/長尾精一
エッセイ 「温める贅沢、冷やす贅沢―氷を使うようになったイギリス人」 川北 稔
中国食文化情報2 ヘルシーな花茶ブーム 賈 惠萱
文献紹介 ヨーロッパ食文化研究のために・10 『アイスクリームの世界史』 カタジーナ・チフィエルトカ
野生食をたずねて・2 生き残る野生肉―イノシシ 小山修三・及川昭文・岡野洋子
食の学習現場から ドリカム・プランで夢をつかむ ―福岡県立城南高等学校の試み― 草野美保
文献紹介 歌田 勝弘著『バイオ産業革命』 田村眞八郎