『vesta』130号「発酵と文化」

『vesta』130号

「発酵と文化」

2023.04.12
特集アドバイザー 北垣浩志(佐賀大学 教育研修院自然科学域農学系 教授)

 歴史を顧みると、どの国でも発酵は常に文化とともに歩んできた。
 2013年にユネスコ無形文化遺産へ「和食」が登録されたのに続き、2022年に日本の伝統的な酒造りもこれに続いて候補として提出された。
 世界の他の国でも、古代グルジアの伝統的なクヴェヴリワイン製造方法、ベルギーのビール文化、モンゴルの馬乳酒など、発酵を無形文化遺産として登録する動きが相次いでいる。
 ユネスコが無形文化遺産に登録した理由として、自然資源の持続的な利用と密接に関わる自然の尊重という根本的な精神との関連を挙げている。
  本特集は世界中の発酵を文化としてとらえた記事を集めており、今一度世界の発酵と文化を見直すよいきっかけになると信じている。
Ⅰ 発酵食と文化
 1 発酵食品と文化/北本 勝ひこ
 2 日本の発酵食文化の魅力/丸山 潤一
 3 治癒への祈りと発酵/北垣 浩志
Ⅱ 日本と世界の発酵食
[トピック]掲載発酵食品一覧/編集部
 1 日本の酒と和食の文化/中島 春紫
 2 東南アジアとヒマラヤの納豆食文化/横山 智
 3 初めてなのに懐かしかった。私的体験から見た魚の発酵食品/森枝 卓士
 4 発酵乳文化の魅力/平田 昌弘
 5 ロシアや周辺国を中心とした発酵食文化の魅力/荻野 恭子
 6 サバンナの生活とモロコシ酒/桐越 仁美
 7 コーヒーと発酵 ―味や香りを作る微生物―/旦部 幸博
 8 米国グアムにおける発酵食文化/陣内 真佐子
[トピック]世界の発酵食品 -あれも、これも、発酵食品-/編集部
Ⅲ 発酵が切り拓く未来
 1 フランスの発酵食はいま/羽生 のり子
 2 新たな可能性を拓く?発酵食品のブーム/阿古 真理
 3 味噌の抗炎症効果/金内 誠
 4 発酵が生み出す未来への可能性/小倉 ヒラク
特集まとめ 現代のシルクロード、発酵 ―発酵文化の交流が創造する新たな知―
 北垣 浩志

<連載>

☆台所史探訪(第4回)「効率化の波が家事に及ぶ」/須崎 文代

☆大食軒酩酊の食文化(第60回)「昼食代のレシート」/石毛 直道

☆文献紹介 湯澤規子(著)『「おふくろの味」幻想 誰が郷愁の味をつくったのか』
/矢野 敬一

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