『vesta』123号「コロナと食文化」

『vesta』123号

「コロナと食文化」

2021.07.12
特集アドバイザー 岩田三代(元日本経済新聞社論説委員兼生活情報部編集委員)

 「休業」の紙が貼られた飲食店、テイクアウトを始めたレストランや居酒屋、大通りに出ればデリバリーの黒いリュックを背負った若者が自転車で駆け抜けていく。新型コロナウイルスは、私たちの生活はもちろん街の風景も大きく変えた。在宅勤務が増え、インターネットではレシピサイトが人気とも聞く。
 コロナ禍で食文化はどんな影響を受けているのか。何が変わり、何が変わらないのか。時に歴史を遡り、海外の事情にも目を配りながら、それぞれの専門家に現状を分析し、将来を見通してもらおうというのが今回の企画だ。
 パンデミックはまだ収まっていない。収束後にはさらなる考察も必要になるだろう。だが、感染拡大から1年半がたつ今の問題意識を残すことには大きな意味がある。
 食べることは生きること。目を凝らせば社会の歪みや課題も見えてくる。
<特集>
インタビュー 共食の行方/山極壽一(聞き手 岩田三代)
縁食の理論/藤原辰史
明治から現代まで危機は家庭料理にどんな変化をもたらしてきたか/畑中三応子
外食の意味と魅力/関沢まゆみ
デリバリーの原点 日本の仕出し/清絢
わが国の食と農―ウィズコロナの現状とアフターコロナの課題/中嶋康博

[ANOTHER ANGLE]緑なす丘を襲った悲劇―アイルランドのジャガイモ大飢饉
 /原田美知子

[海外から]
コロナパンデミックを経たフランスガストロノミーの未来/伊藤文
コロナパンデミックによって再認識されたインドの食と食文化/さいとうかずみ
コロナ禍にみるアメリカの食生活の変化/杉野美穂子

[ANOTHER ANGLE]コロナ禍の食が浮き彫りにした格差社会の現実とその行方
 /北山晴一

特集まとめ コロナと食文化/岩田三代

<連載> 

☆コーヒー・ハウスの文化論(最終回)「「メディア」としてのコーヒー・ハウス」
 /太下義之

☆歌舞伎のレシピ(第3回)「冬は義士、夏はお化けで飯を食い/堀越一寿 

☆大食軒酩酊の食文化(第53回)「卵と日本人」/石毛直道

☆ミクロネシアの島の暮らしと食(第2回)「主食」/山本宗立

☆文献紹介 原田信男著 『「共食」の社会史』/山極壽一

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