公開シンポジウム
地域と都市が創る新しい食文化
2018年12月04日(火) 13:30 ~ 16:30
テ ー マ | 地域と都市が創る新しい食文化 |
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会 場 | 味の素グループ高輪研修センター 大講講義室 |
主 催 | 公益財団法人 味の素食の文化センター 大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 |
後 援 | 一般社団法人 和食文化国民会議 |
2013年の和食のユネスコ無形文化遺産登録、2020年東京オリンピックに向けたインバウンド増大等国内外の動向を受け、「食」への関心は、味や栄養面にとどまらず、食材を育む自然環境との調和、調理や作法を含む伝統性、さらにはそれらを包含する地域そのものの魅力へと広がってきています。
本シンポジウムでは、生産者、消費者、研究者、行政が一体となった、地域の食文化を活かした地域再生の取組みを紹介するとともに、グローバル化する社会において、地域と都市を繋ぎながらさらに豊かなくらしを育む発展のありよう、そしてひとりひとりが参加して創る新たな食文化について考えます。
登壇者
奥田政行氏(アル・ケッチァーノ オーナーシェフ)
石川智士先生(東海大学海洋学部教授)
ハイン・マレー先生(総合地球環境学研究所副所長)
田村典江先生(地球研上級研究員)
プログラム
13:30 開会 主催者挨拶
13:40 基調講演1 「食を通した人づくり地域づくり」 奥田政行シェフ 14:15 基調講演2 「「食」が育む地域の可能性―エリアケイパビリティーアプローチから見た食の重要性―」 石川智士先生 14:50 休憩 15:05 トークセッション モデレーター:ハイン・マレー先生、田村典江先生、奥田シェフ、石川先生 16:30 閉会
REPORT
講演1「食を通した人づくり地域づくり」
アル・ケッチァーノ オーナーシェフ 奥田政行氏
故郷、鶴岡を食で元気にしたいとの篤い想いをいかにして実現させてきたか。自然・風土、地元食材を学び、生産者、知識人と対話し独自の料理理論を築く。人の輪を都市に世界に広げ、積極的に情報発信をしてきたことなど、四半世紀にわたる取組みを話されました。
講演2「「食」が育む地域の可能性 ―エリアケイパビリティ-アプローチから見た食の重要性」
東海大学海洋学部 教授 石川智士氏
地域の食資源を住民が組織的に活用することを通じ、コミュニティの再生と環境保全に対する意識の醸成がなされることを、国内外の沿岸地域で手掛けるプロジェクトの例を含めて説明されました。
トークセッション
モデレーター: ハイン・マレー氏(総合地球環境学研究所 副所長)
パネリスト : 田村典江氏(総合地球環境学研究所 プロジェクト上級研究員
奥田政行氏、石川智士氏
トークセッション冒頭では、田村氏が「市民が食を考えることは、地元を変えるし、世界を変える」と題し、食に関わる市民活動を中心に据えることで行政の枠を超えてフードシステムの問題を解決しようとする、アメリカ発祥のフードカウンシルを説明されました。
その後テーマに関する議論が交わされ、地域資源を活かした持続的な食の発展と、そこに根差した食文化をきづいていくには、ひとりひとりが食を考えること、そして一方的にモノを提供される(都会の)消費者の立場ではなくスードシステムの一員としてさまざまな形で生産にはたらきかけていくことが大切であると確認されました。