『vesta』99号「やわらかい飲み物」

『vesta』99号

「やわらかい飲み物」

2015.07.10
責任編集 太田 心平(おおた しんぺい)

夏が来た。市中の人びともメディアも、さかんに水分補給をすすめる。たんに熱中症予防のためならば、うすい塩水でものんでいればいいものを、それでは満足しきれないのが人のさが。すずやかなドリンクや、心までうるおしてくれそうな飲み物に、ついつい手がでてしまう。
飲み物は、人間にとって欠かせないものだが、それ以上の不思議な魅力ももっている。それは、ちいさい頃に家でつくってもらったジュースの味。しってしまった夜店のラムネの味。そういった、はじめて手にした嗜好品というものの醍醐味を、我われの身体はわすれられないのじゃなかろうか。
巻頭:日本人は何を飲んでいるの?/編集部 
   日本の飲み物 -レトロ&トレンド- 
    
Ⅰ 世界の飲み物
 1 飲み物の首都 -移入、混交、錯綜するニューヨーク/太田心平
 2 各国・民族編
  のどの渇きを癒す
   ①マテ茶(Cha Mate)/森幸一
   ②ロシアの発酵飲料クヴァス/青木千帆子
   精神を癒す
   ③泡茶館 -茶館に長居する(北京を中心に)/徐素娟
   ④"京のぶぶづけ"的アラブ・コーヒー論/菅瀬晶子
   ⑤お茶のない人生なんて/伊東未来
   健康志向
   ⑥体調や体質に合わせてお茶を飲む -韓国の伝統茶の世界/澤野美智子
   ⑦フレッシュジュースは不健康?/上水流久彦
  儀式との結びつき
   ⑧フィジーのカヴァ・セッション/豊平豪
   ⑨飲み物としてのチョコレート/八杉佳穂
 
 
Ⅱ 水道の歴史
 1ウィーンの湧き水の水道/舟田詠子
 2江戸の飲み物/青木直己
 
 
Ⅲ 日本の清涼飲料
 1日本における清涼飲料ビジネスの展開/河野昭三
 2地方に息づく飲み物たち
  ①お茶であり、薬であり -アイヌの飲み物/齋藤玲子
  ②大人の味、異国の味、憧れの味 ルートビア/加賀谷真梨
 
<連載>
主人公は何を食べたか(第8回、最終回) 池波正太郎『仕掛人・藤枝梅安』・殺し屋の食卓/大岡 玲
里海のくらしと食文化(第3回)「庶民が愛するタコの日本文化」/印南敏秀
再発見!日本の食 日本のくらしと食のしかけ(第2回)
「伝統的な延岡市の鮎やな漁 鮎やな師の工夫と勘所」/文・二村 悟  写真・小野 吉彦
大食軒酩酊の食文化(第28回)「冷やし中華」/石毛 直道
旅の記録と食(第9回)「市に集う人と物」/山本 志乃
文献紹介 川島秀一 著『安さんのカツオ漁』/野本寛一
 

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