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January, 2018
今月のコラム
わたしたちが、見たり、聞いたり、食べたことを紹介します。

江戸の再現菓子「柿衣(かきころも)と鯨餅(くじらもち)」
「柿衣」は種をとった干し柿の中に栗の実を入れて揚げたもの(『素人包丁』より)。香ばしさの中に上品な甘味が凝縮されています。「鯨餠」は鯨の皮の断面に見立てたお菓子(『古今名物御膳菓子秘伝抄』より)で、ういろう風。いずれも1月19日に開催したシンポジウムでご紹介したものです。
今月のおすすめ本
新旧図書の中からスタッフが「これぞ!」というオススメを毎回ご紹介します。
<新刊図書から>古沢広祐著『食べるってどんなこと?』平凡社 2017年11月刊行 食べることが命や社会の活動、自然環境や生態系、そして歴史、文化などと、どのように関係しているのか。私たち一人ひとりの食べていることが、その社会や自然などのシステムとどのようにバランスしているのか、など。幅広い視点からの疑問に対し、中学生の素朴な質問に答える格好で分かり易く鳥瞰できるように書かれている。若者、食育関係者向けとしてはもとより、日頃考えていない食べることの幅広く奥深い関係を網羅的に考える機会を与えてくれる書物です。 |
<新刊図書から>橋爪伸子著『地域名菓の誕生』思文閣 2017年12月刊行 名菓といえば京都や東京の老舗以外にも全国各地にたくさんあり、皆さんも旅行や出張のお土産として買われることでしょう。本書では、こうした名菓が、近代以降に社会の変動や異文化との接触をへて変化し、新たな展開を迎えるありさまを丹念に論じています。たとえば5回にわたる内国勧業博覧会への出品数は回を追うごとに増えていきますが、第4回、5回の増加の一因は台湾総督府保護下での製糖業による砂糖供給の影響と考えられるのだとか。食べたことがある菓子も、この本を読むと見方が変わってきます。 |
ちまたの食のイベント・情報
目に付いたものをスタッフの独断と偏見でピックアップしています。
<展示>
御食国若狭食文化館 企画展示「杉田玄白没後200年記念展示 ―江戸の養生と食文化―」(2017/9/14~2018/3/11)
畠山記念館 平成三十年冬季展「茶懐石のうつわ」(2018/1/20~3/18)
安城市歴史博物館[企画展]一汁三菜-江戸から昭和の食文化-(2018/1/20~3/18)
大塚国際美術館「おいしい名画 ~名画の中の食卓~」(2017/12/1~2018/3/18)
<面白サイト>
一般社団法人和食文化国民会議
変わる食 変わる家族
立命館大学食総合研究センター