- ABOUT
- 石毛直道とは
石毛直道とは
※共食とは、「ともぐい」のことではない。人と人、もしくは人と神が食事を共にすることである。
蕎麦屋の小僧になりたかった石毛直道は、文化人類学者として本格的に食文化研究に取り組む。国立民族学博物館の設立に携わり三代目館長も務めるなかで、個人的な食文化研究の成果以外に、学際的な研究手法や組織を立ち上げて日本の食文化研究を確立しリードした。
国立民族学博物館※略して民博(みんぱく)とよぶ。
文化人類学・民族学に関する資料収集・調査・研究・公開を行い、諸民族の社会・文化への認識と理解を深めることを目的として、昭和49年(1974)創設、昭和52年(1977)に開館した。大学共同利用機関法人・人間文化研究機構でもある。大阪府吹田市の万博公園に位置する。昭和45年(1970)に開催された日本万国博覧会(大阪万博)の跡地である。
三代目館長
石毛直道は、昭和43年(1968)大阪万博の資料収集で世界の仮面・神像の収集などを手がけている。昭和50年(1975)民博の展示資料収集も行った。民博では助教授・教授を務め、食文化研究関連でも海外調査・共同研究を行っている。平成9年(1997)~平成15年(2003)民博の三代目館長を務めた。
石毛直道の研究スタイル
食文化に限らず石毛直道の多くの研究には共通のスタイルがある。中学から大学までの考古学を志した時代、大学時代の探検部、それ以降の文化人類学者の時代に獲得したものであろう。このスタイルを通じて多くの研究成果がもたらされた。
- 私は写真を説明手段ではなく、調査手段に用いる。写真には撮影意図とは無関係な情報が写りこむからだ。写真を分析することで、事前に想定していなかった新しい考えを導き出すことが出来る。
- 写真は客観的情報であるゆえに、撮影者以外にも利用が可能である。写真は将来の研究者のための記録にもなる。
- 写真は「缶切り機能」を持つ。現地の人と写真を見ることで、撮影時には気付かなかった新しい情報を発見するのだ。現地調査での有効な手法だ。
(
アジア市場より抜粋)
研究組織・体制つくり
学際的な食文化研究の場を立ち上げて、多くの分野の研究者達をリードした。食文化研究が認知され博士号を取得する若い研究者も出る
ようになった。
- 国立
民族学博物館
共同研究 - 食の文化
シンポジウム - 食の文化
フォーラム
世界の食に関する写真撮影
石毛直道以前の民族学研究者にとって写真はまだ補助手段であった。正確かつ詳細な見取り図を描くのが研究に有効とされた。石毛直道の時代にはフィルムも徐々に安価になり良質な写真が撮れる状況になった。写真は見取り図と違い、被写体周辺の意図せぬ情報もとれることがメリットである。
石毛直道が撮りためた写真のアーカイブス