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モンゴル乳製品調査

1996.7-8

女性の一日の流れ

女性は朝5時、夜明け前に起きて乳を搾り始めます。
ウシを10頭ほど搾るには小1時間かかります。
ゲルに戻ると朝食に相当する乳茶をわかし、一息つきます。
乳茶は、たん(磚)茶と呼ばれるレンガ状に固められた茶をナイフまたは臼と杵で削り、お湯で煮だした後、搾りたての乳を少々入れて作ります。
最後に塩少々で味を調整しますが、塩の量は各家庭の主婦の匙加減で決まります。
そして家族が起きたら家の掃除をして、乳製品作りを始めます。
ウルムやビャスラグと呼ばれるチーズなどを作ります。

男たちが子ウマをつかまえてきたら、しばらくしてからその日最初のウマの乳搾りを始め、2時間おきに搾ります。
その合間をぬって乳を攪拌して乳酸発酵を促しながら、出来上がったアイラグ(馬乳酒)を飲みます。
搾る、かもす、飲むの1人3役です。
ヒツジやヤギの乳を搾る場合には、昼に1回搾乳します。
来客でもないかぎり、特に昼食はとらず、お茶を飲んだり、チーズをかじったり、アイラグを飲んでやり過ごします。
夕方になると、ウシの乳をもう一度搾り、再びウルムやビャスラグ、タラグなどに乳を加工します。
夕食には、肉や穀類を使った料理を作ります。
夏は夜9時でも明るいので、就寝時刻も遅くなりがちです。

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