公共財団法人 味の素食の文化センター

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伊勢の海士長鮑制ノ図

  • 絵師:三代目歌川豊国
  • 落款:御好豊国画
  • 時代:万延元年(極印)
  • 判・種類:三枚続浮世絵
  • 版元:加賀屋吉右衛門「両国かゝや」

解説

伊勢志摩が舞台。海女たちが作っているのは「長鮑ながあわび」。熨斗鮑のしあわびとも言い、鮑の身を桂剥きにし、引きのばして乾燥させる。縁起物として贈答に供されたり、儀式に用いられたりした(慶事に使う熨斗袋の右肩にあるのが熨斗で黄色の短冊状のものが元は熨斗アワビであった)。鮑を船から下ろし、筵の上で殻を外し、身を剥き、細長い形に揃えて天日干しをするまでが本図に描かれるが、扇を持つ高貴な男性と香炉を持つ女性は物珍しくそのさまを眺めている。

執筆者:宮本祐規子

執筆年:令和2(2020)年

管理No.:153

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