公共財団法人 味の素食の文化センター

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江戸名所百人美女 目黒瀧泉寺

  • 絵師:3代目歌川豊国
  • 落款:年玉囲みに「豊国画」
  • 時代:安政4年(1857)11月
  • 判・種類:大判錦絵
  • 版元:江戸・湊屋小兵衛

解説

「江戸名所百人美女」は、コマ絵に歌川国久画の江戸名所を描き、様々な境遇の女性を描いた作品である。本図は目黒不動堂である泰叡山滝泉寺をコマ絵とし、茶屋の仲居が硯蓋すずりぶたに口取肴を盛り、銚子で酒を運ぶ姿を描いたもの。コマ絵にも独鈷の滝の垢離場が描かれているが、目黒不動堂近辺は江戸市民の行楽の場として賑わい、粟餅、目黒飴、餅花などを商う店が軒を連ねた。不動堂の門前に数多くあった茶屋の仲居が料理を運んでいる図と思われる。料理は未詳。蒲鉾、大根、ぎんなん、焼き栗、煮凝りもしくは煮寄(によせ―野菜を細かく切って煮たり、煮てから潰して寒天を加えて固めた物)のようなものか。仲居の帯の端には「大当 はしば」とあるが未詳。

執筆者:山下則子(国文学研究資料館 教授)

執筆年:平成30年(2018)

管理No.:143

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