公共財団法人 味の素食の文化センター

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見立 三国志 遊梅林楽酒宴図はいりんにあそんてしゆえ(ん)をたのしむづ

  • 絵師:3代目歌川豊国
  • 落款:年玉囲みに「豊国画」
  • 時代:安政6年(1859)正月
  • 判・種類:大判錦絵3枚続き
  • 版元:江戸・恵比寿屋庄七

解説

『三国志』の桃園の誓い―宴会で劉備・関羽・張飛が義兄弟の誓いを結ぶ―に見立てた歌舞伎役者3人の宴会。右から初代中村福助(後の4代目中村芝翫→似顔、外題枠に翫雀)、中央が3代目市川市蔵(→似顔、結び柏に松葉の蝶の手拭い、外題枠に菊)、左が初代河原崎権十郎(後の9代目市川団十郎→似顔、宝結び蝶の紋、牡丹鯉の模様の小袖、外題枠に牡丹)。外題枠の描かれ方から、劉備(長兄)に擬えられたのは福助と思われる。卓袱料理めかして卓上に散り蓮華が置かれているが、銘々の取り皿はない。中国料理とはいっても、その内容はかなり日本化したものであった。本図の料理は未詳。煮凝り、煮寄(によせ―野菜を細かく切って煮たり、煮てから潰して寒天を加えて固めた物)、都春錦(としゅんきん―多くの材料を彩りよく取り合わせ、切形も違えて小さく切り、それぞれを醤油と酒などで煮上げてから一つに混ぜた物)、ぬたなます、活盛り(なますの一種、魚介類を数種別々に作り身にして、器の中央に盛り合わせ、調味酢等を注いだもの)のようにも見える。

執筆者:山下則子

執筆年:平成30年(2018)

管理No.:140

関連タグ:
料理・調理・料理屋・食事・宴会