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縞揃女弁慶
- 絵師:歌川国芳
- 落款:一勇斎国芳画 芳桐印
- 時代:天保15年(1844)8月
- 判・種類:大判錦絵
- 版元:江戸・伊場屋久兵衛
解説
弁慶縞の単衣物を着た若い女性が、大川の東安宅(地名)にある「松の寿司」を子供に食べさせようとしているところ。これは10枚揃いシリーズの1枚。弁慶に関する説話や戯曲等の有名な場面の面影を宿らせた趣向を持つ作品群で、他には「自剃り」「鬼若と鯉」「三井寺の鐘」「五条橋」「逆落とし」「制札」「堀川」「船弁慶」「勧進帳」がある。「安宅の松」とは、長唄の曲名であり、本名題は「隈取安宅松」。弁慶が安宅の関辺りの松の下で、里の子供に扇を与えて平泉へ行く近道を教えて貰う、という内容である。女性の下着は、弁慶にちなむ「輪宝」模様であり、輪宝の部分部分は扇から成っている。女性は「あたけ 松のすし」と書かれる木箱を持つ。松鮨とは『甲子夜話』巻十八によると、天保頃流行した二重に盛られた寿司、松とは販売者の名前で、大変高価であったとのことである。
執筆者:山下則子
執筆年:平成30年(2018)
管理No.:138
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