公共財団法人 味の素食の文化センター

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東都名所四季之内 両国夜陰光景

  • 絵師:3代目歌川豊国
  • 落款:年玉囲みに「豊国画」
  • 時代:嘉永6年(1853)6月
  • 判・種類:大判錦絵3枚続き
  • 版元:江戸・恵比寿屋庄七

解説

両国橋が見える隅田川沿いの料理屋で、夏の夜に拳遊びをする芸者達。それぞれ当時の歌舞伎女形に似た美人に描かれている。右端から4代目尾上梅幸、5代目瀬川菊之丞、初代坂東しうか、7代目岩井半四郎、13代目市村羽左衛門、3代目岩井粂三郎か。拳は三すくみ拳の一つである狐拳。負けた方が酒を飲むルールであったのか、中央で拳に興じる女性の膝元に、陶器の杯洗が置かれる。出されている食べ物は、左側の床の上の皿に山盛りにされているのは、枇杷やスイカや瓜などの果物。台上の料理は煮豆と都春錦(としゅんきん―多くの材料を彩りよく取り合わせ、切形も違えて小さく切り、それぞれを醤油と酒などで煮上げてから一つに混ぜた物)か。画面左側に立つ女性が持つ料理は、白玉団子に、砂糖状のものをかけて食べるものと思われる。夏らしい涼やかな料理が描かれている。

執筆者:山下則子

執筆年:平成30年(2018)

管理No.:116

関連タグ:
料理・調理・料理屋・食事・宴会
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