公共財団法人 味の素食の文化センター

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極征 勝陣揚(しようぢんあげ)=精進揚げ。かなよみ三百十五号

  • 絵師:竹内栄久
  • 時代:明治10年(1877)3月
  • 判・種類:大判錦絵
  • 版元:東京・福田熊次郎

解説

新聞錦絵である仮名読新聞(総ふりがなを付した庶民向け新聞。新聞紙条例が布告された明治8年に、仮名垣魯文編集、河鍋暁斎ら挿絵で、横浜毎日新聞会社が創刊された。明治初期の小新聞)の315号である。野菜の揚げ物である精進揚げの店先を描いている。揚げられている野菜は、海苔、牛蒡、茗荷、蓮根、薩摩芋、三つ葉、生姜。その品書きには、明治10年の西南戦争に関する世相諷刺が書かれている。それぞれの野菜の名前に語呂合わせされ、漢字も適宜変えられている。「賊の飛上りは西郷が口車に 海苔・ 熊本萩の後でワヤワヤ党が 後暴(ごばう)・出兵をめいぜらるゝも 冥加(めうが)・暴徒はいづれも頑固の 蓮根・我利我利のさつま いも・賊を追払て取かへしただいばは 三つ場・やがてちんぶしてかいぢんと 勝賀(しようが)」。

執筆者:山下則子

執筆年:平成30年(2018)

管理No.:115

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風刺