公共財団法人 味の素食の文化センター

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流行(りうこう)浮世(うきよ)写寫繪(うつしゑ)

  • 絵師:歌川広重(三世)
  • 落款:應需廣重戯畫
  • 時代:卯正改(慶応3年正月)1867
  • 判・種類:大判 錦絵 三枚続
  • 版元:甼(人形)具足屋

解説

「彫工兼五郎」
〔羽目のビラ、右〕
出遣ィ うつしゑ
新工風大道具
細工人 東都
大〻叶當席

〔羽目のビラ、左〕
しん上 子供連
一魚 一網
板元𠀋江

ひゐき
天幕一張
細工人江

進上 娘連
金千疋
画工江

のし しん上 子供連
一酒 一駄
画工江
〔見物の言葉、右〕
「あいつらあミんなのぼってすへハとうするきだ
「いめへましいな づんへとのぼりやがる どうするきた
「あれミやァぜにが一度いちときにさがりやかる
「アレすんへのほるよそれだがうへのほふからさがらせるとさ
〔見物の言葉、中〕
「おやへごらんなさいよ てんへのぼるとさばからしい
「これからべんへすからせますとさ おもしいしい((ママ))
〔見物の言葉、左〕「アレごらんよ おっかさん おこめがあんなにたかくあがったよ 〔写絵の言葉〕
〔俵〕「わたしハこのうへあかりよふハないから どりやそろそろさがりませう」
〔酒(剣菱〕「すんへのほれ」 油、炭「いそいでのぼれ まけづにのぼれ」 糸、みそせうゆ、材木、かみ「なんでもかまハずてんへのぼれ」
かん物、〔反物〕「あとかつかへる ずんへのほる」
さとう、〔菓子〕、荒物、しほ「てんへのぼれさっさとのほれ」
茶、下駄るい、〔かつおぶし〕「てんへのほるつんつんのほる」
薬種「こゝらでちょっとやすみていが やすんてハおいこされる たからづんへのぼれてんへのほれ」
魚、湯「いままてのほらずにいたか もうがまんができへんへのぼれ」
すし天ふら、〔煙管もち〕、小間もの、漬〔物〕、料理、〔豆腐〕、〔包み〕、〔八百屋〕「てんへのぼれいそいでのぼれ みんなおをいこせ」
手遊、相切「わたくし共ハ みなさんのよふにハあかれませんから づんへさかります」 文久「しづかにやらかせ そろへのぼれ」「アイたへへ」
〔福助〕「口上 東西へたんへとのぼりつめみれバ これより一度にさがられまァす」※物価高騰を諷したもの
※写絵は幻燈風に絵を写す娯楽で、像を動かしてみせる見世物。

執筆者:木村八重子

執筆年:平成9(1997)

管理No.:072

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