公共財団法人 味の素食の文化センター

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蝶驥尾團子(きびだんご)第五十一号千確萬疑雁鍋繁昌(せんかくばんせぎがんなべはんじゃう)()

  • 時代:明治十二年十月十八日御届 1879
  • 判・種類:大判 錦絵 二枚続
  • 版元:編集、画工、出版兼 西黒門町一番地 大倉四郎兵工

解説

價四戔
画面の文字は下記のとおり。
(わたくし)(くに)(がん)ありません貴君(あなた)(なに)いふ警察(けいさつ)(たの)んでバックする(よろ)しい貴君(あなた)ペケペラ
「ドイツかと(おも)ったら途方(とほう)もねへ(とこ)から横槍(よこやり)コリヤ近頃(ちかごろ)(しん)ほうだァ
(がん)附合(つけあハせ)(なまず)なべで()(やい)たぞォゝ熱ッわた()(いや)です子ェ
(いっ)さいきやうの勘定(かんちゃう)ハおれがするからいゝが(あんま)(いそ)いて(した)(やい)たァ ばかへしい 「オヤへ(くち)(まは)りへたれる味噌(みそ)附合(つけあハ)せかコリヤァどうでも日々(にちにち)食物(くひもの)にハ(むか)(しな)だワイヤ()れが味噌(みそ)(つけ)たとて京都(きょと)々々(へへ)()(わら)ふまいぞ 「サア(ほゝ)(やい)たしくじったへまのうきよハ様々(さまゞ)だなア
「まだにへきらないから(ふた)ハあけられません
「わたくし(くに)から(とん)()(がん)だといふから(たしか)(ところ)を見せてもらひたい(はや)くへ 「家鴨(あひがも)どころかすっかり正物(ほんもの)じゃか此鴈(このがん)でハ那様(あんな)にみそをつけたり()(やい)たりするものが(おほ)いからはやく料理(れうつ)仕舞(しまひ)たいなァ。
※卓上の方形火桶に左より「京都」「西京」「わた辺」「うきよ」あり。外人のポケットには「獨逸」「バック」あり。印絆纏に「新報」あり。東西の新聞を諷したものらしい。

執筆者:木村八重子

執筆年:平成9(1997)

管理No.:070

関連タグ:
風刺
料理・調理・料理屋・食事・宴会
雁鍋