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道外武者御代の若餅
- 絵師:歌川芳虎
- 落款:好=付 一猛斎芳虎画
- 時代:〔嘉永2年(1849)頃〕
- 判・種類:大判、錦絵、竪
- 版元:無記
解説
君が代(欠けあり)をつきかためたり春のもち」宮武外骨著『筆禍史』118、119pに所載あり。「其絵様中の紋章等にて察すれば、織田信長が明智光秀と共に餅をつき、其つきたる餅を豊臣秀吉がのしをし、徳川家康は座して其餅を食する図なり、要するに徳川家康は巧みに立廻りて、天下を併呑するに至りしといへる寓意なり(以下略)」とあり。
※『藤岡屋日記』によれば、嘉永2年閏4月8日の配りで、芳虎画「武者御代の若餅」と
題したものが板元桧物町茂兵衛店沢屋幸吉より出版された。これは「はんじもの」で改印した掛名主の村田佐兵衛、
同米良太一郎の二人は全く気付かなかったが、餅搗の武者は瓜の花の紋所があるから信長、餅をこねる武者に桔梗の紋をちらしてあるから光秀、
餅をのしている武者は猿のついた陣羽織を着て顔は猿であるから秀吉、餅を喰べている大将は神君(家康)であると大評判となった。そのためわずか半日の配りで直ちに板木を削られ回収された。
執筆者:木村八重子
執筆年:平成9(1997)
管理No.:020
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