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奥 津
- 絵師:葛飾北斎
- 落款:画狂人北斎画 江尻へ一リ卅丁
- 時代:〔文化元年(1804)正月〕(「品 川」備考を参照)
- 判・種類:小判 摺物 横
- 版元:不明
解説
駅名の表記は、現行は興津。江戸時代では奥、興両様に用いている。図は土地の名物、海産品の主だったものを描く。すなわち薩埵峠東麓の倉沢で著名な「名産栄螺鮑、薩埵山東の麗、西倉沢茶店に栄螺鮑を料理て価ふなり」と『東海道名所図会』巻 に記すサザエとアワビを盛る。取り合わせたタイは、異名を興津鯛と名付けられたアマダイ(甘鯛)と見られる。『本朝食鑑』8に「江都盛賞レ之名曰甘鯛或日二奥津鯛一是駿之奥津多産也」といい、又随筆『甲子夜話』5にも「或人より聞く、駿海産の甘鯛を生干にしたるをオキツ鯛と称して名産の一なり」と記され、相当に前から世に知られている。初摺品にある狂歌は「はるの海たひら魚釣あまをふね ゑにかけること奥津しま山 万歳亭」と海産物一般を詠じている。
執筆者:鈴木重三
執筆年:平成9(1997)
管理No.:083
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