公共財団法人 味の素食の文化センター

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見立昼夜 廿四時之内 正午十二時

  • 絵師:豊原国周(クニチカ)
  • 落款:豊原國周筆
  • 時代:明治廿三年○月○日印刷仝年月日出版 1890
  • 判・種類:大判、錦絵、堅
  • 版元:日本橋區長谷川丁十九バンチ福田熊治郎

解説

(コマ)絵枠は懐中時計。中に「十二時(どんと)おたべと()児にすゝめ 薫作」とあり。薫は梅素亭薫で、この部分の絵も描いたものと見られる。「どん」は、当時丸の内で正午を知らせるために発射した空砲の音から、正午のこと。こゝでは「どっさり」の意味の「どんと」に掛けている。
※子供は腹掛け、母はうすものを着ているので夏と見られる。
※膳の上に重箱・箸箱等の食器があり、皿には串を打った魚らしいものが見える。
※コマ絵には、箸の間の薬味の包みに「和田平」とある。楊枝もある。和田平については、『東京名物志』(明治34年公益社発行)の「蒲焼」の部の最初に次の記載がある。
和田平(日本橋区田所町二 並木平右衛門 電浪二〇八二)
都下屈指の旧家にして、調理の巧妙を以て聞え「大黒屋」「竹葉」と共に鼎立の勢あり。唯此家の鰻は両家に比すれば味稍甘し。嗜む者は長枝此に存すと為し、好まざる者は短所此に在りと為す。
※断ち落しはあるが、初摺り。

執筆者:木村八重子

執筆年:平成9(1997)

管理No.:005

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