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世界の食事文化

刊行年月 1973年9月
著者名 石毛直道
刊行社名 (株)ドメス出版

それまで目を向けられることの少なかったアフリカやニューギニアなどの食事を対象として含め,「世界の常食」と題した分類などを含む文化としての食生活研究。

エッソ・スタンダード石油株式会社が発行していた季刊誌「Energy」掲載の氏監修の特集「食事文化」をもとに,新しい原稿を加えて編集したもの。

本人による説明

「料理」と「共食」を中核にすえて食を考える立場が決まり,具体的な論を展開するための基礎となる分布図ができたことで本格的に食文化に取り組むようになったのが1970年代前半からのことである。

『世界の食事文化』はその頃の編著であり,わたしの食文化論の原点といえる。

この本のタイトルには「食事文化」ということばが使われているが,当時は食文化ということばはなかった。

そこで思いついたのが,オセアニアやアフリカで体験した食事に関するエッセイを中心とした本をつくることであった。

「料理」の文化と「共食」の文化が交錯する場が「食事」であり,わたしは食事に関する文化を「食事文化」と名づけた。

当時は食を題材に一般読者向けの本といえば文人の余技としての食味随想くらいしかなかったので,人びとに新鮮に影響をあたえたようでおおくのマスコミの書評にとりあげられた。

そしてわたしは自分が開拓しようと志した分野を「食事文化」と呼んでいたのである。

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