石毛直道食文化アーカイブス
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石毛直道とは
探検の人 石毛直道
昭和33年(1958)、石毛直道は京都大学入学と同時に探検部に入部する。その後に研究を共にする多くの先輩、友人に出会う。世界を探検し、文化人類学に目覚め、研究者としての基礎を築いた。食文化研究者になってからも、多く海外を訪問して調査、研究を行った。
石毛直道語録

京都大学探検部
- 昭和31年(1956)に日本で初めての大学探検部として創設された。当時は海外渡航が制限された時代であり、学生が合法的に海外渡航して活躍する場を設けるという意義があった。海外渡航が自由化される昭和39年(1964)までの9年間にも11の海外遠征隊を送り出している。当時の探検部の顧問や指導者は京都大学に連なる錚々たる研究者達であり、また探検部は多くの人材や研究者を輩出した。
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2019年4月までに行った国・地域
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最も行った国ベスト3
食文化研究者 石毛直道
蕎麦屋の小僧になりたかった石毛直道は、文化人類学者として本格的に食文化研究に取り組む。国立民族学博物館の設立に携わり三代目館長も務めるなかで、個人的な食文化研究の成果以外に、学際的な研究手法や組織を立ち上げて日本の食文化研究を確立しリードした。
石毛直道語録

国立民族学博物館※略して民博(みんぱく)とよぶ。
文化人類学・民族学に関する資料収集・調査・研究・公開を行い、諸民族の社会・文化への認識と理解を深めることを目的として、昭和49年(1974)創設、昭和52年(1977)に開館した。大学共同利用機関法人・人間文化研究機構でもある。大阪府吹田市の万博公園に位置する。昭和45年(1970)に開催された日本万国博覧会(大阪万博)の跡地である。
三代目館長
- 石毛直道は、昭和43年(1968)大阪万博の資料収集で世界の仮面・神像の収集などを手がけている。昭和50年(1975)民博の展示資料収集も行った。民博では助教授・教授を務め、食文化研究関連でも海外調査・共同研究を行っている。平成9年(1997)~平成15年(2003)民博の三代目館長を務めた。
石毛直道の研究スタイル
食文化に限らず石毛直道の多くの研究には共通のスタイルがある。中学から大学までの考古学を志した時代、大学時代の探検部、それ以降の文化人類学者の時代に獲得したものであろう。このスタイルを通じて多くの研究成果がもたらされた。
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図式化・マップ化
- 図式化・マップ化によりわかりやすく示すことを得意とした。
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学際研究
- 学際研究により学問としての「食文化」を確立した。
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写真を撮る
- 写真の持つ長所を早くから研究に取り入れた。
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モノにこだわる
- 考古学少年時代から一貫してモノに着目して記録を行う。「物質文化」を重視した。
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メーカーとの恊働
- メーカーとの恊働によりいくつかの大きな研究成果をあげている。『魚醬とナレズシの研究』・味の素㈱、『麵の文化史』・日清食品㈱など。
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共同研究
- 主に民博を舞台に、食卓文化や酒と飲酒の文化など多くの共同研究に携わった。
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比較研究
- 台所文化や住居空間などモデル(ものさし)を提出して複数の文化を比較、通文化的展望を行った。
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フィールドワーク
- 文化人類学者としてオセアニア・アフリカを皮切りに世界各地で実地調査を展開、多くのフィールドノートを残した。
石毛直道の写真活用法
- その1
- 私は写真を説明手段ではなく、調査手段に用いる。写真には撮影意図とは無関係な情報が写りこむからだ。写真を分析することで、事前に想定していなかった新しい考えを導き出すことが出来る。
- その2
- 写真は客観的情報であるゆえに、撮影者以外にも利用が可能である。写真は将来の研究者のための記録にもなる。
- その3
- 写真は「缶切り機能」を持つ。現地の人と写真を見ることで、撮影時には気付かなかった新しい情報を発見するのだ。現地調査での有効な手法だ。
(『アジア市場』より抜粋)
人間 石毛直道
石毛直道を知るためのキーワード
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鉄の胃袋
- たくさん食べられる! 何でも食べられる! 鉄の胃袋の持ち主である。
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サツマイモ世代
- 戦中戦後の食糧難時代、他に食べ物がなく一生分のサツマイモを食べた。子どもの頃のひもじさが食へのこだわりとなり、後に食文化を探究する源となった。
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考古学少年
- 中学校時代,考古学に興味を持ち千葉県北部の遺跡巡りをしたり、本格的な論文を書いたりした。
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大食軒酩酊(たいしょくけんめいてい)
- 小松左京氏が著書『人間博物館』執筆にあたり名付けた。
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石毛クッキングスクール
- 料理好きが高じて、1985年以降国立民族学博物館の職員むけに料理講習を行った。
好きなもの
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酒
- 飲んだ「市販していない酒」の種類は世界一なのでは。
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タバコ
- 自他ともに認める愛煙家。1968年リビアのオアシス調査、宿舎での料理もくわえタバコで。
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パチンコ
- 唯一のギャンブルとしてやるのがパチンコ。調査を口実にパチンコ店に通い、論文も書いている。
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上方落語
- 桂米朝さんを知り、上方落語が好きになった。寝る前に必ず上方落語を聴く。
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オートバイ
- 1996年大阪。趣味のオートバイで暇を見つけては山道を駆け巡った。
写真提供:文藝春秋