第2部食育・学校給食の課題と今後の方向性について 米飯給食について

2014年03月03日(月)

講師: 幕内 秀夫

REPORT

幕内 秀夫 氏

学校給食と子どもの健康を考える会代表

 

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 私は、病院診療所で約30年間患者さんの食事を見る仕事をしてきました。主にがんの患者さんの食事を見てきて、まさに食育基本法をつくらざるを得ないほど、食が原因となっている病気が増えていると思うようになってきました。

 「この食生活をどうしたらいいのだろう」と思っていたところに、ある日娘がとんでもない給食の献立を我が家に持ってきまして、「給食を教育に使うしかない」と考えました。漠然としたことを言っていても何も変わらないので「完全米飯給食」という言葉を掲げました。小浜と三条を見てもわかるように、米飯給食によって献立全体が変わります。魚だ、肉だ、野菜だというよりも、まずご飯にしてしまえば、献立全体を変えることができる。そんなことを考えていた16年前、公立の小中学校3万校中、約900校が、実は完全米飯だったんですね。ということは、どこでもできるんだ。ということで、この運動を始めたのです。

 小浜はあの頃から「食のまち」と言っていたのですが、「子供たちにパンを週に1回も2回も食べさせて、何が食のまちなのだ」と農家の方に言ったのは、もう何年前でしょうか。その後、完全米飯になりました。昨日は高松にいたのですが、高松の1つの学校も完全米飯になることが決まりました。先週行った島根県では、益田市の26ある保育園のうち、11が完全米飯になっています。ちなみに、そこの幼稚園、保育園は牛乳もありません。

 大きな自治体での牛乳廃止は三条市が初めてです。三重県桑名市が中学校で牛乳を廃止したことがあり、私はその当時、『中日新聞』の取材を受けて「半年もったら大したものだ」と話しましたが、案の定数カ月で復活しました。パンをご飯にする困難さから見たら、牛乳問題は大変なものであります。これは酪農問題だけではありません。栄養士界、栄養教育そのものがこれだけ牛乳を推進してきた。今やっと、そこの見直しが始まる可能性があります。

 ぜひ皆さんに考えていただきたいのは、学校給食には、一番に学校給食法があるのですから、健康を忘れてはいけないということ。そして、2番目に食文化とか、農業、食料問題が来るということです。