第2部食育・学校給食の課題と今後の方向性について 食のまちづくり 小浜市の10年間の活動事例

2014年03月03日(月)

講師: 中田 典子

REPORT

中田 典子 氏

福井県小浜市役所企画部食のまちづくり課政策専門員(食育)課長補佐

 

 

福井県の南部に位置する小浜市は人口約3万1千余りの人の小さなまちです。目の前には日本海側唯一のリアス式海岸である若狭湾が広がり、一年を通じて様々な魚が水揚げされます。奈良・飛鳥の時代には、豊富な海産物や塩を朝廷に献上した御食国(みけつくに、御食:天皇の食材)として知られており、膳臣(かしわでのおみ)という天皇の食を司る役人がこの地域を治めていたという歴史もります。また、このまちは古代より大陸との交流の玄関口として発達してきた他、江戸時代には、北前船の寄港地として全国と結ばれたことが、さらにこの地域の食文化を発展させました。江戸時代から近代にかけて、海産物を京都へと運んだ道は「鯖街道」として現在も親しまれています。

2000年8月、当時の市長が就任した際に、地域の資源を活かしたまちづくりを進めようと考え、その資源として御食国の誇れる歴史と現在も連綿と受け継がれている豊かな「食」に着目しました。そして「食」を重要な施策の柱としたまちづくり、いわゆる「食のまちづくり」を開始、翌年9月には、全国で初めて食をテーマにした自治基本条例である「小浜市食のまちづくり条例」を制定しました。特に食育については、重要な分野として条例の中に位置づけており、人は命を受けた瞬間から老いていくまで生涯を通じて食に育まれることから、「生涯食育」という概念を提唱、市民の方々との協働により、ライフステージに合わせた食育事業を数多く実施しています。

 それでは、小浜の生涯食育事業について、2分半のスライドショーでご紹介しましょう。

(スライドショーで「就学前の子どもを対象とした義務食育『キッズキッチン』」「校区内で採れたものを優先的に使用する『校区内型地場産学校給食』」「伝統行事の行事食」「新たなブランド・鯖おでん」「オリジナルの食生活指針『食生活実践ガイド』」「食文化館」などの様子を紹介)

 これらの他、地産地消に関連した、新たな産業も生まれてきています。「地産地消をすすめる店」や農家レストラン。それから、市民のために構築してきた食育のノウハウを地域外にも進める「食育ツーリズム」などにも力を入れています。

 このような食育事業の現場で、私達が何を1番大切にしているかと言うと「いただきます」「ごちそうさま」の意味を理解してもらうことではないでしょうか。「私たち日本人は、自然の中に神様を感じ、その神様に感謝しながら、手を合わせていただいてきた。この世界に冠たる日本食文化の特徴を時代に継承していくことが、本当に大事だ」と感じています。日本の食文化、そのすてきな暮らし方、可能性を小浜から世界に広げていきたいと思っています。

 

キッズキッチン

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校区内型地場産学校給食

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