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東海道五十三次 奥津

  • 絵 師:葛飾北斎
  • 刊行年:文化元年(1804)

駅名の表記は、現行は興津。江戸時代では奥、興両様に用いている。図は土地の名物、海産品の主だったものを描く。すなわちさった峠東嶺の倉沢で著名な「名産栄螺鮑、さった山東の麗、西倉沢茶店に栄螺鮑を料理て価(あきな)ふなり」と『東海道名所図絵』に記すサザエとアワビを盛る。取り合わせたタイは、異名を興津鯛と名付けられたアマダイ(甘鯛)と見られる。『本朝食鑑』8に「江都盛賞之名曰甘鯛或日奥津鯛是駿之奥津多産也」といい、又随筆『甲子(かっし)夜話』5にも「或人より聞く、駿海産の甘鯛を生干にしたるをオキツ鯛と称して名産の一なり」と記され、相当に前から世に知られている。初摺品にある狂歌は「はるの海たひら魚釣るあまをふねえにかけること奥津しま山 万歳亭」と海産物一般を詠じている(図G)。

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