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源平武者の戯

  • 絵 師:不明
  • 刊行年:不明

a.「名代芋 八里半」「平忠のり」「まだゝやけたのハ御ざいませんよ」「岡部六弥太」「そんなことをいわなへですこしでいゝからうってくんなへ」。b.「小林朝日奈」「どっこいゝなかゝおめへたちにまけるものか」「曽我の五郎」「どっこいなそふハいかなへゝ」「ヲモチャをとなもまけたせゝ」(枕引き)。c.「竹本藤太夫靍沢大木(か)寸」「忠しん蔵四だん目がすんださかいこん堂は此じゃうるりニしなはれ堀川御所打手のつわもの」「土佐坊」「勝男賣(かつをうり)のをどり」。d.「又野の五郎」「なかゝ大ぼねだゝ」「さなだの与市」「御らんのごとくさし上ましたどっとほめたりひやうバんゝ」「ゑらいゝ」「かんしんゝゝ」。a.平忠度=薩摩守 籠目(鹿児島にかける)=薩摩岡部六弥太=「庄(庄内)」の字絣=出羽鶴岡(酒井忠器)(焼芋(成果)の分け前を申し出ているところか)。b.小林朝日奈=松葉=陸奥若松 曽我五郎=蝶(五郎のようでもあるが、音が長に通ずる) 萩=周防山口 枕引きの遊戯に描いているが、影のようにみえるのは江戸城であろう。この遊戯は、枕を引きよせた方が勝つ。つまり、江戸城の引きあいを諷したらしい。c.竹本藤太夫=藤(藤堂)、蔦のもよう(家紋)=伊勢安濃津(藤堂高猷) 靍沢大木寸=「大」の字、木寸=村=肥前(大村純熙) 土佐坊=鰹=土佐。・忠臣蔵四段目がすんだ、とは、城明け渡しがすんだということ。・堀川御所打手、堀川夜討は、本来、義経の居所を頼朝の命令で、土佐坊が襲う「義経記」などに見える事件だが、ここでは御所とあるので京都の覇権を奪おうとする件か。d.又野五郎=一文(一ツ橋)字(家)つなぎ、鐶(講武所の章)=江戸軍 真田与市=二股(名産に)大根(かけている)=尾張名古屋(徳川慶勝)。江戸軍の骨折損と、それを囃している尾張。ほめている二人は釘(合印)抜きと蝶(家紋)のもようから因幡鳥取(池田慶徳)。以上のとおり、当図は、明治維新前夜の各藩の態度を扱った一連の諷刺画の一枚である。
 

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