Vesta 107号海の野菜を食べる-海藻の食文化

2017.07.12

責任編集 特集アドバイザー/今田 節子(ノートルダム清心女子大学 名誉教授)

1977年、女性の海藻学者によって食用海藻をSea Vegetableと表現することが提唱された。海藻の食習慣について聞き取り調査を実施している過程で、まさしく日本人の海藻利用にふさわしい言葉だと実感したことを思い出す。日本における海藻の食文化の大きな特徴は、海藻成分を抽出して利用するのではなく、藻体全体を調理材料として使うところにあり、その調理法は野菜料理と酷似ている。しかし、現在では海藻利用が減少していることも事実であり、残念なことである。
海藻にまつわる食文化は米食文化、魚食文化とならび日本を代表する食文化であるが、われわれは海藻に関する知識が決して豊富とはいえない。この特集が世界に誇れる海藻の食文化を再認識する切っ掛けとなり、今後の海藻利用の一助となれば幸いである。
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特集 海の野菜を食べる-海藻の食文化

巻頭: 韓国、中国、日本の海藻食 
 
Ⅰ 日本編
 1 海藻とは何か-海藻の基礎知識/今田 節子
 2 海藻の利用/今田 節子
 3 海藻の歴史/今田 節子
 4 能登地域の海藻食文化/林 紀代美
 5 日本の食文化と昆布/奥井 隆
 6 四十余手間の羅臼昆布 
   -世界自然遺産知床の海が育む北海道羅臼町の昆布/二村 悟
  <Topic 1>海藻と環境/村瀬 昇
  <Topic 2>食材としての海藻の魅力 -食と健康の視点から-/宮下和夫
 7 まとめ -Sea Vegetable としての利用/今田節子
 
Ⅱ 世界編
  海藻食の多様性と人類/秋道智彌
  <Column>動物にとっての海藻(草)食/秋道智彌
 
<連載>
すべての道は「食」に通ずる -イタリア-/宇田川 妙子
(第2回) 「家族の食卓からみえてくるもの」
嗜好品の文化論/髙田 公理
(第1回)「嗜好品の楽しみ:その豊かな含蓄」
大食軒酩酊の食文化/石毛 直道
(第36回)「納豆汁」
“食べる”を予測する/岩村 暢子
(第1回)「食DRIVE」調査とは」
文献紹介 赤嶺淳著『鯨を生きる-鯨人の個人史・鯨食の同時代史』/若松 文貴